「今の打線には繋がりが無い」エース好投も完封負けの阪神 球団OBが深刻な打線の低調ぶりに苦言「バッターの責任が大きい」

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大山ら打線の奮起が求められている(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext

 エースのピッチングも報われず、またも無得点で敗れた。

 6月25日、阪神は倉敷マスカットスタジアムで中日と対戦し、先発の才木浩人が8回1失点と好投を繰り広げるも、打線が中日投手陣に抑えられ0-1で敗れた。阪神はカード初戦の白星を狙い、才木の登板を火曜日にスライドさせたものの、またも打撃陣が沈黙。今季10度目、今月で4度目の無得点での敗戦となった。

【動画】「四球をください」2024年6月25日【 阪神 vs 中日】 佐藤義則の眼

 才木はこの日も122球を投げ被安打6、8個の三振を奪うなどエースらしいピッチングでチームを鼓舞した。自身最後のイニングとなった8回、中日の田中幹也にライト線への安打を許し、これが3塁打になると、続く板山祐太郎にライト前への適時打を打たれ、終盤で唯一の失点を喫している。

 一方の打線は中日先発の小笠原慎之介をはじめ、3投手から6安打を記録するも、併殺打で好機を潰す場面もあり、三塁を踏めないままこのゲームを落とすこととなった。

 三連戦初戦での白星を掴むべく、チームの勝ち頭をマウンドに送ったものの、低調な打撃陣の状態がまたしても浮き彫りとなる試合内容となった。才木の好投、そして「見殺し」にする結果となった打線に対し、かつて投手コーチを務めた球団OBも複雑な心境を吐露している。

「才木が登板する試合は勝っても負けてもロースコアがほとんどで、ちょっとかわいそう」

 そう語るのは、指導者として数多くの投手を育て、2003年の阪神リーグ優勝にも貢献した佐藤義則氏だ。YouTubeチャンネル『佐藤義則チャンネル』でこの試合を振り返っている。

 佐藤氏は、「今日は0−1で負けたけどこれはバッターの責任が大きいと思う」と冷静に試合の印象を述べながら、今季の才木の登板したゲームについて、「(才木)本人一人で頑張っている試合が目立つ。もっと援護してやって欲しい」として、孤軍奮闘を続けるエースを支えきれない打線への苦言を続けた。

 さらに昨季との違いとして、阪神の攻撃が研究されたことで、相手チームが四球を出さなくなったことを挙げ、絶不調が続く大山悠輔のバッティングには、「ボール球に手を出してしまっては四球も選べない。自身の調子の悪さもあって強引に打ちに行っている」と指摘している。

 加えて、打線全体についても、「ヒットは出ているが、得点にならない。今の阪神打線には繋がりが無い」と強調。また、「去年は2死からでも得点を挙げていた」と振り返りつつ、「やっぱりヒットを打つだけでなく、ランナーが出た後、打点にならないと」などと見解を示している。

 開幕からチームを支えてきているエースの好投に応えることができなかった阪神打撃陣。投打の歯車が噛み合わず、各打者の不振がさらに深刻化する中、ペナントレースはまもなく折り返しを迎えようとしている。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]