2024年6月11日に開催されたAppleの年次開発者会議「WWDC24」の基調講演では、iPhoneやiPad、Macで使える新しいパーソナルAIの「Apple Intelligence」が発表されました。基調講演後に行われたイベントで、AppleはiOSやiPadOS、macOSにGoogleのマルチモーダルAI「Gemini」を統合したいとの考えを示しています。

Craig Federighi says Apple hopes to add Google Gemini and other AI models to iOS 18 - 9to5Mac

https://9to5mac.com/2024/06/10/craig-federighi-says-apple-hopes-to-add-google-gemini-and-other-ai-models-to-ios-18/



Apple confirms it wants Google Gemini on iPhones - Android Authority

https://www.androidauthority.com/google-gemini-iphones-3450404/

OpenAI and Apple announce partnership | OpenAI

https://openai.com/index/openai-and-apple-announce-partnership/

WWDC24の基調講演で発表された「Apple Intelligence」には、文章作成支援機能や録音の書き起こしと要約機能、画像生成機能などが搭載されています。また、AppleはOpenAIとパートナーシップ関係を結び、iOS 18やiPadOS 18、macOS SequoiaにChatGPTを統合。これにより、ユーザーはChatGPTの用いた質疑応答や文章生成、画像生成などが可能となります。

Appleが新たなパーソナルAIの「Apple Intelligence」を発表、OpenAIとの提携でSiriがChatGPTをサポート - GIGAZINE



さらに、OpenAIによるとSiriを用いてChatGPTにアクセスした場合、リクエストがOpenAIに保存されることがないほか、ユーザーのIPアドレスは不明瞭になるなど、複数のプライバシー保護機能が導入されています。

OpenAIのサム・アルトマンCEOは「Appleと提携して、ChatGPTを新たな方法でユーザーに提供できることをうれしく思います。Appleは、安全性とイノベーションに関して高い関心を示しており、今回のパートナーシップは『高度なAIを誰もが利用できるようにする』というOpenAIのミッションと合致します。OpenAIはAppleと協力して、AIがもたらす恩恵を人々がより簡単に享受できるようにしていきます」と述べました。

さらにAppleはGoogleのGeminiもApple製品に統合したいとの考えを示しています。基調講演後に行われたイベントで、Appleのソフトウェアエンジニアリング担当シニアバイスプレジデントであるクレイグ・フェデリギ氏と、機械学習およびAI戦略担当シニアバイスプレジデントであるジョン・ジャナンドレア氏は「最終的には、ユーザーが使いたいAIモデルをApple製品に持ち込めるようにして、クリエイティブな文章を書くのに最適なモデルや、コーディングに適したモデルなど、使いたいモデルを選べるようにしたいと考えています。そのため、将来的にはGoogleのGeminiなど、さまざまなAIモデルとApple製品の統合を実施する方向です」と語りました。



また、フェデリギ氏は最初にChatGPTをApple製品に統合した理由について「業界最高レベルのものから始めたかったからです」と述べています。

なお、これまでにもAppleはAI機能の強化に向けて、Geminiを採用する可能性が報じられていました。

AppleがiPhone向けのAI機能を強化するべくGoogleのGeminiを採用するとの報道 - GIGAZINE