工藤か秋山か、伊東か…?西武・松井稼頭央監督”事実上の解任”で始まる「次期監督探し」意外な期待感

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西武の松井稼頭央監督(48)が5月26日のベルーナドームでのオリックス戦を最後に休養に入り、渡辺久信球団GM(58)が同27日付で監督代行に就くと発表され、球界に激震が走った。わずか45試合、借金15という成績で事実上の“解任”となった指揮官。電撃人事の裏にいったい何があったのか。

球団がリリースした「監督人事に関するお知らせ」によれば、松井監督は球団と協議したうえで休養に合意。次のようなコメントを残している。

「厳しい戦いが続いているなか、変わらず声援を送り続けてくださるライオンズファンの皆さまの期待に応えられず、大変申し訳なく思っております。何とか巻き返しを図ろうと、コーチや選手たちと共に戦ってまいりましたが、指揮をシーズン途中で渡辺GMに託すこととなりました。昨年からこのチームを率いて、選手たちの成長には手応えを感じていましたが、それを結果に繋げることができなかったのは、指揮官である私の責任です」

急転直下の決断に、松井監督の妻でタレントの美緒夫人(50)はSNSで「…突然のことすぎて…」と一言だけ呟いた。

休養発表後、私服姿で球場の駐車場に現れた松井監督は「球団に感謝している。2軍に若手もいますが頑張ってほしい。しっかり見ときたい。自分の中ではベストを尽くしてきた」と語り、渡辺GMは「もう現場に戻らないつもりだったが球団から『この状況を打破するのはGMしかいない』という言葉があった」と引き受けた経緯を説明した。だが、この一連のやり取りには「違和感しかない」と、球団OBは下を向く。

「開幕前、後藤高志球団オーナー(75)は期待している選手として、若手ではなく中村剛也(40)、栗山巧(40)という引退してもおかしくない年齢のベテランを挙げていた。戦力不足から目を逸らしているように感じた。

渡辺GMは11年前に監督を退任してフロントに入ったが、それから何人の主力選手たちがFAで去っていったか。選手がFAで出ていく度に『誠意が感じられなかった』と球団の対応を問題視するような声が漏れ聞こえてきた。古参のOB、球団関係者のなかには『編成トップが監督兼任となれば、選手は委縮したり、逆にゴマすりを始めたりするのではないか。とても巻き返しどころの話ではない』と不安を隠さない者もいる」

西武は最終的に現場トップの松井監督にユニフォームを脱がせる決断を下した。GMと監督の兼任が容易ではないことは楽天の石井一久前監督(50)の例を見れば明らかだが……。

「すでに首脳陣やフロントの中では腕を回して内部昇格の機会を伺うものもいる。個人的には、工藤公康(61)や秋山幸二(62)、伊東勤(61)といった実績のあるOBたちが監督復帰すれば、チームは大きく変わる。

期待は大きい。松井監督とは違って彼らは経験豊富で、フロントへの発言力も大きいため、結果が出るまで時間のかかる大胆な改革を断行しても、ファンや上層部は待ってくれる」(同前)

戦力不足は、経験豊富な指揮官の手腕でカバーしたいところ。今オフの監督人事から、ようやく西武の巻き返しが始まる――かもしれない。