テレビ朝日と東映は、動画配信の隆盛など新しい時代に即応したパートナーシップとして、連続テレビドラマや大型劇場用映画の共同製作や、世界配信を前提にしたコンテンツ制作体制の構築などで合意した。

テレビ朝日と東映は、これまでもドラマの「はぐれ刑事純情派(1988~2009年)」「相棒(2000年~)」「科捜研の女」(1999年~)」といった刑事ドラマや、「暴れん坊将軍(1978~2002年)」をはじめとする時代劇、「仮面ライダー」や「スーパー戦隊」などの特撮シリーズなど、テレビ朝日の番組編成に大きな役割を果たしてきた。

また「相棒」や「仮面ライダー」など数多くのドラマが劇場用映画として製作・公開され、東映の映画事業にも大きく貢献している。

一方で、動画配信など視聴形態の多様化により、コンテンツの需要はより高まっており、「放送や上映など従来の枠組みにとらわれない新たな価値を持ったコンテンツの創出が急務になっている」とのこと。

そこでテレビ朝日と東映は、従来の協力関係の一層の強化を図り、新たなエンターテインメントの創造に向けたパートナーシップを構築。「世界中にコンテンツが流通する時代を踏まえ、両社共同でグローバル展開についても積極的に取り組んでいく方針」だという。

具体的な内容は以下の通り。これらの取組みをおこなうため、両社はステアリングコミッティを設置する。

連続テレビドラマ 共同制作プロジェクト
現行のテレビ朝日・東映のドラマ共同制作枠をベースに、企画開発及び制作体制をプロジェクト化し、視聴率のさらなる向上と配信市場での活用が期待できる「相棒シリーズ」にも匹敵する強力コンテンツの制作を目指す。 大型劇場用映画 共同製作プロジェクト
「相棒シリーズ」に代表される連続ドラマを起点とした大型劇場用映画の開発を推進。映画対応枠を設定し、ドラマ企画・制作の段階から劇場用映画の公開を見据え、俳優・脚本家・監督など強力な制作体制を構築し、ドラマの成功と劇場用映画のヒットを複合的に目指す。 新規IP開発プロジェクト
アニメコンテンツをはじめとする強力なIP制作のための共同プロジェクトを策定。特にアニメコンテンツに対する需要が高まる現状を踏まえ、アニメ制作体制強化のための「将来計画」を策定、共有し、IPビジネスを加速させる。 時代劇開発プロジェクト
現在放送中の「君とゆきて咲く~新選組青春録~」(2024年4月~)をはじめ、「ヒットする新しい時代劇」ジャンルを開発する共同制作プロジェクトを立ち上げ。連続テレビドラマ放送を経て劇場用映画に、さらには東映太秦映画村やテレビ朝日の東京ドリームパークでのイベントコンテンツへと連動させる。 映像テクノロジーの共同研究、開発
バーチャルプロダクション等の映像テクノロジーやメタバース等の制作手法を駆使し、新時代の映画制作・ドラマ制作に挑戦、制作コストの効率化を目指す。 世界配信を前提にしたコンテンツ制作体制の構築
世界マーケットでの情報の共有など相互協力を強化することで、インド等成長が期待される大きなマーケットにおけるグローバルなビジネス展開を企図。 東映太秦映画村、東京ドリームパークの相互営業協力により集客増・収益増を目指す
2028年全面リニューアル予定の「東映太秦映画村」と、2026年完成予定の「東京ドリームパーク」は、東映とテレビ朝日のリアルエンタテインメント事業の中核。両社のリアルエンタテインメント事業を成功させるため、様々な面で相互協力。それぞれの拠点に情報カメラを常設して、仮面ライダー等のイベントや天気予報を中継するなどの手法で認知度を高め、集客増、収益増へとつなげる。 幹部役職員の相互交流
両社のプロデューサーなど幹部役職員を相互に出向させ、より密接な制作体制及びコンテンツの開発体制を構築。 若手社員の相互交流・人材育
成両社の若手社員を一定期間相互に出向、交流させ、映画・ドラマ制作スタッフの育成と充実化を図る。