ASUS JAPANは、ゲーミングスマートフォンの新製品「ROG Phone 8」「ROG Phone 8 Pro」「ROG Phone 8 Pro Edition」を5月17日に発売することを発表しました。2023年7月に発売した「ROG Phone 7」シリーズの後継モデルとなる製品で、いずれもシステムオンチップ(SoC)にQualcomm Snapdragon 8 Gen 3、リフレッシュレート165GHz、タッチサンプリングレート720Hzの6.78型フルHD+ディスプレイを搭載。ROG Phone 8は16GB RAMと256GBストレージ、上位モデルのROG Phone 8 Proは16GB RAMと512GBストレージ、最上位モデルのROG Phone 8 Pro Editionは24GB RAMと1TBストレージを搭載します。今回はROG Phone 8 Proをお借りしたので、レビューにてご紹介します。

シックなデザインの第3世代

ゲーミングスマホといえば、一般に性能を誇示するいかついデザインやド派手なライティングが特徴ですが、ROG Phone 8 Proはそれとは対照的にシックなデザインが特徴。ファントムブラックの背面はさらさらとした手触りのマットな素材で、洗練された印象です。

本体サイズはH163.8×W76.8×D8.9mmで、重量は225g。厚さは前モデルの10.49mmから15.2%薄型化しています。見た目もサイズ感も、日常使いのスマホとして違和感なく持ち歩けます。

落ち着いた見た目ながら、ゲーミングデバイスらしい発光ギミックも。ROG Phone 8 Proと8 Pro Editionの背面には、ドット状のLEDライトが文字やアニメーションパターンを表示する「AniMe Vision」を搭載します。時刻やバッテリー残量を表示できる他、着信やセルフタイマー撮影のカウントダウンを表示するなど、機能的なサブディスプレイとして利用が可能。アニメーションパターンは手書きで入力したり、画像を読み込んでカスタマイズできる機能もあり、ゲーミングノートPCの「ROG Zephyrus G14」に搭載されていた「AnimeMatrix」の遺伝子を感じさせます。

2018年に発売された初代ROG Phoneから2020年のROG Phone 3までは背面にカラフルなLEDライトを搭載したデザインの第1世代、2021年のROG Phone 5から2023年のROG Phone 7までは幾何学的な形状のカメラユニットや背面ディスプレイなど攻めたデザインの第2世代という分類で、今回のROG Phone 8は第3世代という位置づけ。「ゲームは、日常というフィールドへ」というコピーを採用し、日常使いを意識したコンセプトになっていることが分かります。

ROG Phone 8は背面にマットな素材と光沢のある素材を採用し、LEDロゴが発光するデザイン。ファントムブラックとレベルグレーの2色をラインアップします。ROG Phone 8 Pro EditionはROG Phone 8 Proと同じ筐体です。

日常使いで活躍する機能が満載

機能面でも、ゲーミング用途だけでなく日常使いを重視した特徴が感じられます。IP65/IP68の防水・防塵、そしてROG Phoneシリーズ初のおサイフケータイへの対応は、ゲーミングスマホでは珍しい大きな特徴です。

薄型ながら、インタフェースも充実しています。ディスプレイ面から見て右側面には電源ボタンと音量ボタン、両手で横持ちにした際に使えるタッチセンサーボタン「AirTrigger」を搭載。左側面には、Power DeliveryとDisplayPort Altモードによる映像出力に対応するUSB Type-C(USB 3.1)ポートを搭載します。

底面のUSBポートはUSB Type-C(USB 2.0)で、映像出力には非対応です。底面にはSIMトレー、ヘッドホン端子も搭載しています。

バッテリー容量は5500mAh。65W出力のUSB充電器が付属し、約39分でフル充電にできる急速充電に対応します。Qiのワイヤレス充電にも対応。

日常使いする機能として、充実したカメラ機能にも注目。カメラは5000万画素広角、1300万画素超広角、3200万画素望遠の3眼構成。広角カメラは6軸ジンバルモジュールを搭載し、電子式手ブレ補正(EIS)と組み合わせて強力な手ブレ補正を実現しています。望遠カメラは3倍光学ズームと10倍のデジタルズームにより、最大30倍のズームに対応します。

120°の超広角から30倍ズームまで幅広く、色鮮やかで解像感の高い撮影ができました。

顔認証にも対応する3200万画素のインカメラは、RGB画素に白の画素を追加したRGBWセンサーを採用。光の取り込みが向上し、ノイズが低減できることから、薄暗い場所でも明るく高画質な自撮りが可能になります。

高パフォーマンスを実現する冷却機能

ベンチマーク結果を見ていきましょう。「3D Mark」の「Wild Life Extreme」は5198、「Geekbench 6」のシングルコアのスコアは2262、マルチコアのスコアが7042と、Snapdragon 8 Gen2搭載の前モデル最上位機種「ROG Phone 7 Ultimate」と比べて大幅にスコアが向上しています。

バックグラウンドのメモリーを一斉解放してゲームアプリのパフォーマンスを最大限に高める「Xモード」、パフォーマンスやゲームに関する設定ができる「Armoury Crate」アプリの機能をゲーム中にオーバーレイで呼び出せる「Game Genie」といった、ROG Phoneシリーズのゲーム支援機能もそのまま搭載。パフォーマンスをチューニングすることで「原神」「NEW STATE Mobile」といったリッチなゲームアプリがより滑らかに動作します。

ゲーム支援機能では、新たにAIを活用した機能としてゲーム画面のテキストエリアから文字を抽出して検索ができる「AI Grabber」の機能を追加。ゲームの攻略を支援します。さらにベータ版の機能として、宝箱を開けて出現したアイテムを自動でピックアップする機能、特定の操作を自動実行する機能などを用意しています。

ゲーム画面の表示エリアをカスタマイズする機能も追加しています。全画面で表示したり、インカメラのエリアを開けて片側に寄せた表示にしたり、両手持ちした際の誤タッチを防ぐために両端を開けて表示することができます。

優れたパフォーマンスを引き出すのが、強力な冷却システム。「GameCool 8」として進化した冷却システムでは、SoCを全方位から冷却する「360° SoC Cooling System Gen 2」を採用し、前モデルと比べて熱効率が22%向上しています。

ゲーム体験を向上するアクセサリーにも注目

オプションのアクセサリーが充実している点にも注目。別売りの外付け冷却ユニット「AeroActive Cooler X」は前モデルと比べて冷却ファンの回転が1.1倍高速化され、冷却効率が1.3倍向上しました。装着時に背面の温度を最大36℃低下させることができます。背面の物理ボタンに操作をアサインしたり、USB-Cポートやイヤホンジャックが利用できる他、キックスタンドを引き出してスマートフォンスタンドとして利用することも可能。ROG Phone 8 Pro EditionにはAeroActive Cooler Xを同梱します。

外付けゲームコントローラー「ROG Tessen モバイルコントローラー」は、USB-Cポートに接続して使えるゲームコントローラー。ROG Phone専用ではなく、長さ最大178mm、厚さ最大14.5mmまでのスマホで汎用的に使うことができます。装着するスマホの厚さに応じて調整できるラバーパッドも付属。

側面のライティングエフェクトや任意にアサインできる背面ボタンは、Armoury Crateアプリから設定できます。操作感は良好で、「Xbox Cloud Gaming」などクラウドゲーミングとの相性は抜群。

コンパクトに畳んで持ち運べるのも魅力です。

価格は15万9800円から

16GB RAMと256GBストレージ構成のROG Phone 8は、希望小売価格15万9800円(税込)。記事で紹介した16GB RAMと512GBストレージ構成のROG Phone 8 Proは希望小売価格17万9800円(税込)。24GB RAMと1TBストレージ構成で、AeroActive Cooler Xが付属するROG Phone 8 Pro Editionは希望小売価格21万9800円(税込)です。