進学・就職・異動など、新生活をスタートした人もゴールデンウィークが過ぎ、いよいよギアを上げるとき。ベースとなる“家”の快適化は急務でしょう。

 

一人暮らしを始めた人は、炊事や掃除、洗濯などの家事にも慣れなければなりません。生活のリズムを整えるだけでも大変ですね。一方、子どもがいるファミリーも、登下校はもちろん、共働き家庭なら子ども一人で留守番させるのが心配という人も多いのではないでしょうか。そのほかにも、離れて暮らす親が元気にしているのか心配、ペットを飼っているなら暑い日の室温が心配など。

 

こうした、暮らしにおけるさまざまな悩みごとを解決する手段としておすすめしたいのが、「スマートホーム」の導入です。

 

「スマートホーム」ってなに?

スマートホームとは、BluetoothやWi-Fiなどの通信機能を使って住宅内の家電や設備をスマートフォンなどから遠隔操作したり、質内の温度や湿度などを可視化したりできる機器やサービスの総称。

 

室温が一定の温度を超えたらエアコンの冷房が自動的につくようにすれば、ペットがいる家庭では安心してお留守番してもらえますし、遠隔操作ができれば帰宅前に部屋を冷やしておくといった使い方もできます。

 

スマート家電に買い換える?
まずは「スマートリモコン」で手軽にスマート化

スマホからの遠隔操作や動作の可視化など、スマホ連携に対応する「スマート家電」は数多くありますが、それらに今すぐ買い替えなければならないわけではありません。せっかく吟味して購入した家電を買い替えなければならないのであれば、スマートホームの導入に多大なコストがかかってしまいます。

 

その代わり、最初に導入をおすすめしたいのが「スマートリモコン」です。これはスマホ連携に対応しない既存の家電をスマート化、つまりスマート家電のように使えるようにするもの。テレビやエアコンなどの赤外線リモコンを学習して操作できるようにする「学習リモコン」は多くの人がご存じかと思いますが、その学習リモコンをWi-Fiに接続し、スマホアプリから操作できるようにするのがスマートリモコンです。

 

赤外線リモコンが付属していない家電は操作できませんが、赤外線リモコンが付属していればテレビやエアコン、扇風機、シーリングライト、空気清浄機、サーキュレーターなどさまざまな家電を遠隔操作できるようになります。

 

赤外線が届く範囲の家電しか操作できないため、各部屋に1個設置する必要がありますが、リビングの家電だけ操作したいのであれば1個で大丈夫です。リビングとベッドルームに1個ずつ設置するといった使い方もおすすめです。

 

どれを選べばいい?
スマートリモコン選びの条件

さまざまなメーカーからスマートリモコンが製造販売されていますが、特におすすめしたいのが以下の条件を満たす製品です。

 

1.温度・湿度・照度センサーを搭載するスマートリモコン
2.複数のスマートホーム機器をラインナップしているメーカーのスマートリモコン

 

1.温度・湿度・照度センサーを搭載するスマートリモコン

センサーを搭載するスマートリモコンの場合、センサーで検知した情報をスマホアプリで確認したり、その情報を基に家電を操作したりする機能を備えています。例えば温度・湿度センサーを搭載していれば、現在の室温や湿度をスマホアプリで確認するだけでなく、遠隔操作でエアコンを操作したり、「室温が30℃を超えたらエアコンの冷房を25℃設定でオンにする」といった自動操作をしたりできます。

 

スマートリモコンは赤外線リモコンの命令を家電に送信する機器なので、センサーがないと、遠隔操作を行った“結果”を確認することができません。温度や湿度が分かれば、冷房が動作しているかどうかを確認できるので安心です。

 

また、照度センサーを搭載している製品の場合、部屋の明るさを確認できます。シーリングライトがついていれば明るくなるので、それで家族が在宅している「かもしれない」ことを確認できます。これらのセンサーは必須ではありませんが、室内の状況をしっかり把握したい部屋にはセンサーを内蔵する製品の設置をおすすめします。

 

2.複数のスマートホーム機器をラインナップするメーカーのスマートリモコン

スマートリモコンを導入するだけでも、赤外線リモコンが付属する家電製品を操作できるようになって便利になりますが、さらに複数のスマートホーム機器をラインアップするメーカーのスマートリモコンなら、1つのアプリでさまざまなスマート家電を一括管理できるのが魅力。

 

複数のスマートホーム機器をラインアップしているメーカーの製品がこちら。

BBソフトサービス
+Style マルチリモコン PS-IRC-W02

温度・湿度・照度センサーを搭載するスマートリモコン。500種類以上の赤外線リモコンデータがプリセットされているため、セットアップも簡単。+Style はLEDシーリングライトやドア・窓開閉センサー、カーテンを自動で開閉するスマートカーテン、見守りカメラ、扇風機など、数多くのスマート家電をラインナップする。

 

SwitchBot
SwitchBot ハブ2

温度・湿度・照度センサーを搭載するスマートリモコン。本体前面に温度と湿度を表示するディスプレイを搭載し、タッチすることでさまざまな機器を操作できる「on」「off」ボタンを搭載。SwitchBotは、ロボット掃除機やLEDシーリングライト、玄関の鍵を開閉できるスマートロック、スマートカーテン、見守りカメラなど数多くのスマート家電をラインナップ。

 

Aqara(アカラ)
スマートリモコン M2ハブ

スマート家電と連携することで、内蔵スピーカーを使用してドアホンの音を鳴らしたり、セキュリティアラートを鳴らしたりできるスマートリモコン。Aqaraはドアや窓の開閉を検知する開閉センサーや振動センサー、見守りカメラ、スマホアプリから応答できるスマートドアホンなどセキュリティ機器が充実しているほか、スマートカーテンやテープ型のLEDライトなどもラインアップしている。

 

スマートロックも同時に導入したいのであればSwitchBot、ドアホンをスマートドアホンに替えたいならAqaraがおすすめ。+Styleはほかのブランドとは違って睡眠センサーやペット用の自動給餌機などユニークな製品が多いので、それらを利用したい人におすすめです。もちろんほかのブランドの製品を組み合わせても問題ありませんが、1つのアプリで一元管理したいのであれば、ニースに合わせてどれかのブランドを選ぶといいでしょう。

 

スマートリモコンさえあれば
「スマートスピーカー」はなくてもOK

「スマートホームを導入するのは難しそう」「お金がかかりそう」と思うかもしれません。確かに機器を導入すればするほどお金はかかりますが、スタート時点ではスマートリモコンさえあればOKなので、1万円以下から始められます。

 

スマートリモコンのアプリを導入し、指示に従って家電を登録するだけで遠隔操作や室内環境のモニタリングができるようになります。

 

操作ボタンが付いていないスマートリモコンの場合、家電の操作はスマホアプリで行います。家の中で「電気をつけて」「テレビを消して」など、声をかけるだけで家電を操作したいのであれば、音声アシスタントを搭載する「スマートスピーカー」もしくは、スマートスピーカーにディスプレイを搭載する「スマートディスプレイ」が別途必要になります。より便利に簡単に使いたいのであれば、これらの導入も検討してみるといいでしょう。

↑5インチディスプレイを搭載するアマゾンのスマートディスプレイ「Echo Show 5」とSwitchBotのスマートリモコン「SwitchBot ハブ2」のセットモデルなども。

 

スマートリモコンを導入すると暮らしはどう変わる?

ペットを飼っている家庭では、冬以外のシーズンはペットの安全のためにエアコンを付けっぱなしにしている場合も多いかもしれません。しかしスマートリモコンを導入すれば、室温が高くなるとスマホアプリにお知らせしてくれたり、オートメーション機能で自動的にエアコンを付けたりできます。エアコンを付けっぱなしにしてエネルギーや電気代を無駄遣いすることなく、ペットの安全を守れるのでおすすめです。

 

一人暮らしの部屋でも、帰宅前に室温や湿度を確認し、事前にエアコンで暖めておいたり涼しくしておいたりできるため、常に快適性を保つことができます。夏の暑い部屋に帰宅して、汗だくになりながら涼しくなるのを待つ……なんてことをしなくて済みます。

 

離れて暮らす親を見守るといった使い方もおすすめです。室温・湿度センサーを搭載するスマートリモコンなら、実家の室内環境をチェックすることも可能です。ほとんど自宅を出ないとか、いつも同じ部屋にいることが多いのであれば、室内環境をチェックして実家に連絡したり、場合によっては勝手にエアコンを付けるといった使い方もできます。

 

利便性や快適性だけでなく、安全性も向上できるので、まずはスマートリモコンから初めてみてはいかがでしょうか。