2024年5月14日(火)にリリースされる「Google Pixel 8a」はGoogle Pixel 8と比べて4万円以上安価ながら、同等の処理性能を備えています。「カメラ性能はどれだけ差があるのかな?」という疑問を解決するべく、両スマートフォンで色んな被写体を撮影しまくって性能の違いを検証してみました。

Google Pixel 8a: AI 搭載の高性能カメラを備えた、初めて持つのに最適なスマートフォン

https://store.google.com/jp/product/pixel_8a

Google Pixel 8aは最低価格税込7万2600円のGoogle純正スマートフォンで、価格が一回り高いGoogle Pixel 8と比べて遜色ない処理性能を備えています。Google Pixel 8aとGoogle Pixel 8の外観や処理性能の違いは以下の記事に詳しくまとめています。今回は両者の写真撮影性能を徹底的に検証してみます。

前モデルより4万円も安くてカメラバーの出っ張りも控えめな「Google Pixel 8a」の外観と処理性能を「Google Pixel 8」と比べてみたよレビュー - GIGAZINE



・目次

◆1:Google Pixel 8aとGoogle Pixel 8は異なるカメラを搭載

◆2:広角&望遠撮影性能を比較してみた

◆3:飲食店で料理を撮影してみた

◆4:夜間撮影性能を比較していみた

◆5:まとめ

◆1:Google Pixel 8aとGoogle Pixel 8は異なるカメラを搭載

Google Pixel 8aには64メガピクセルの広角カメラと13メガピクセルのウルトラワイドカメラが搭載されています。一方で、Google Pixel 8には50メガピクセルの広角カメラと12メガピクセルのウルトラワイドカメラが搭載されています。画素数だけに着目するとGoogle Pixel 8aの方が優秀に見えますが、カメラの性能は画素数だけで決まるわけではありません。そこで、実際に色んなシチュエーションで写真を撮影して性能を比較してみました。なお、本記事内の作例写真はすべて縮小以外の編集は施しておらず、各作例をクリックすると縮小前のオリジナル画像を確認できます。



◆2:広角&望遠撮影性能を比較してみた

まず、Google Pixel 8aで大阪市役所の正面玄関に設置されたミャクミャクを歩道から撮影してみました。ウルトラワイドカメラを用いて撮影した写真が以下。



広角カメラで撮影するとこんな感じ。



2倍デジタルズーム。デジタルズームだと画質が粗くなりがちですが、ミャクミャクのディテールを保ったままズームできています。



最大の8倍デジタルズームで撮影しても、思い出を記録する写真としては十分な画質で撮影できました。ただし、ミャクミャクの足元に配置されたQRコードなどに着目すると粗さが目立ちます。



続いて、Google Pixel 8で同じ場所からミャクミャクを撮影してみました。ウルトラワイドカメラで撮影するとこんな感じ。



広角カメラ。



2倍デジタルズーム。なお、GoogleはGoogle Pixel 8の2倍デジタルズームを「専用の2倍望遠レンズを搭載する他のスマートフォンと比較」して「光学2倍ズーム」と表現しています。確かにパッと見ただけではデジタルズームということには気付きにくい出来栄えです。



8倍デジタルズームで撮影した写真が以下。QRコードに着目すると、カラーノイズが発生しています。



他のシチュエーションでも8倍デジタルの性能を検証するために、難波橋から約250メートル離れた大阪中央公会堂を撮影してみました。大阪中央公会堂は以下の写真の中央に写る建物です。



Google Pixel 8aの8倍デジタルズームで撮影した写真が以下。拡大すると建物の装飾がつぶれていることや木々が塗りつぶされたような描写になっていることが気になります。



Google Pixel 8の8倍デジタルズームだとこんな感じ。「歩道からミャクミャクを撮影」というシチュエーションではカラーノイズの有無に違いがでましたが、「難波橋から大阪中央公会堂を撮影」というシチュエーションでは顕著な違いはありませんでした。



◆3:飲食店で料理を撮影してみた

「スマートフォンのカメラで最も撮影する頻度が高いのは料理の写真」という人は多いはず。Google Pixel 8aとGoogle Pixel 8の料理撮影性能を色んな料理を撮影して検証してみました。まず、Google Pixel 8aを使って「神虎 肥後橋店」でラーメンを撮影。なお、これ以降の作例はすべて広角カメラで撮影しています。



同じラーメンをGoogle Pixel 8で撮影した写真が以下。スープの色はGoogle Pixel 8の写真の方が肉眼に近いです。縮小画像で見るとあまり気になりませんが、オリジナル画像を見るとGoogle Pixel 8は中央から外側に向かって放射状に広がるようなにじみが発生しており、ラーメン鉢の奥側の縁が不自然な描写になっています。



Google Pixel 8aで餃子を撮影。肉眼より暗めに写りました。



Google Pixel 8だと、食器の奥側のにじみが気になります。



Google Pixel 8aでできるだけネギの近くに寄って撮影するとこんな感じ。



Google Pixel 8にはマクロモードが搭載されており、Google Pixel 8aよりも被写体に接近できます。



Google Pixel 8aでネパール食堂バルピパルのダルバートを撮影。肉眼よりかなり暗く写りました。



Google Pixel 8だとわずかに明るくなりましたが、肉眼には程遠い描写。また、おかず周辺のボケの不自然さが気になります。



Google Pixel 8aでジャガイモのおかずにできる限り近寄って撮影。



Google Pixel 8だと被写体に接近しつつGoogle Pixel 8aよりも明るく撮影できました。「被写体に寄って撮影」というシチュエーションではGoogle Pixel 8に軍配が上がります。



Google Pixel 8aを使って、カフェ・ベローチェ 淀屋橋店の窓際の明るい席でアイスコーヒーを撮影。かなり自然なボケがでました。



Google Pixel 8だとこんな感じ。明るい場所で撮影したためか、放射状のにじみが出ませんでした。



Google Pixel 8aとGoogle Pixel 8で料理を撮影した結果、Google Pixel 8aでは暗すぎる描写になり、Google Pixel 8では暗い店内で撮影した際に放射状のにじみが気になりました。「暗めの飲食店」は非常に多く存在するため、どちらのスマートフォンも飲食店での料理撮影には不向きですが、あえてPixelで食レポをするなら被写体に寄った撮影が可能なGoogle Pixel 8の方が向いているかなといった印象です。

◆4:夜間撮影性能を比較してみた

Google Pixel 8aで夜間の道路を撮影した写真が以下。撮影時にはスマートフォンを約1秒間静止する必要がありました。



Google Pixel 8の場合、昼間の撮影と同様にスマートフォンを静止させる必要はありませんでした。最終的に完成した写真はほぼ同じような描写です。



Google Pixel 8aで夜間に駅のターミナルを撮影。この写真も約1秒間静止して撮影しました。



Google Pixel 8では静止する必要なし。夜間撮影の気軽さでもGoogle Pixel 8に軍配が上がる結果となりました。



◆5:まとめ

Google Pixel 8aとGoogle Pixel 8で色んな写真を撮影した結果、Google Pixel 8aにはGoogle Pixel 8と比べて「被写体に寄れない」「飲食店で料理の写真が暗く写る」「夜間撮影で静止する必要がある」といった弱点があることが分かりました。一方で、昼間の屋外や明るい室内での撮影ならGoogle Pixel 8と遜色ない性能を発揮します。

Google Pixel 8aはGoogle Pixel 8より4万円安価ですが、カメラ性能には明確な差があるため、自分の撮影スタイルと照らし合せて選ぶ必要があります。

なお、Google Pixel 8aは2024年5月14日(火)にリリース予定で、以下のリンク先で入手可能です。

Google Pixel 8a

https://store.google.com/jp/config/pixel_8a