電話はAIが対応、シャープ高性能なスマホ「AQUOS R9」などが登場
シャープは「AQUOS R9」と「AQUOS wish4」を発表しました。新モデルはデザインを一新し、有機的な曲線を取り入れた印象的な見た目になりました。
AQUOS R9は7月上旬以降の発売で、NTTドコモとソフトバンクが取り扱います。AQUOS wish4は7月中旬以降で、ドコモとY!mobileが販売します。また、シャープ独自のSIMフリー版も販売予定です。AQUOS R9は10万円前後、AQUOS wish4は3万円台前半となる見込み。
AQUOS R9とAQUOS wish4は、三宅一成氏のデザインスタジオ「miyake design」監修のもとデザインを刷新しました。デザイン上のポイントとして、カメラを囲う部分に“自由曲線”を採用。真円ではなく、四角形でもない柔らかい楕円で囲っています。たとえるなら、『もののけ姫』のコダマのような、ユーモラスな印象を与えます。
proモデルはないけどライカ監修カメラや強力なスピーカーで高性能化
2023年はAQUOS R8とAQUOS R8 proという2つのフラグシップモデルを投入したシャープ。今回は上位版の「pro」モデルを投入しない判断となりました。為替の状況などから、高性能モデルは製造コストが高止まりしてしまうためとしています。
そんななかで登場したAQUOS R9は前作AQUOS R8から引き続き、鮮やかなディスプレイ、ライカ監修のカメラを搭載しています。画面は有機ELディスプレイ「Pro IGZO OLED」を搭載。画面スクロールは240Hz表示に対応し、ぬるぬるとなめらかに動くのも健在です。
【AQUOS R9のデザインをチェック】(画像をタップすると閲覧できます)
内蔵スピーカーは“スマホAQUOS史上最大”に強化。スマートフォンの内部基盤から独立した「BOX構造」のスピーカーを2つ設置して、最大音量を従来の2.5倍に拡大しました。低音域は2倍にブーストしています。
新しいデザインに対応して、熱設計は今回、AQUOSとして初めてベイパーチャンバーを採用。ハイエンドスマホで採用が多い放熱部品で、ゲームやカメラのような処理負荷が高いアプリを動作させるうえで重要な役割を果たします。
カメラは独ライカカメラが画質を監修。レンズには「ヘクトール」というライカのカメラに由来する名前が付けられています。デュアルカメラで、標準5030万画素+広角レンズ5030万画素。標準レンズには光学式手ブレ補正(OIS)を新たに搭載し、手ブレに強くなりました。
生成AI採用で留守番電話の要約や代わりに通話してくれる機能も搭載
AQUOS R9には、生成AIを活用した、電話の文字起こし機能が搭載されました。留守番電話の内容を、生成AIが文字を起こして、要約してくれます。これにより録音を聞かずに、電話の要点を素早く確認できます。AQUOSスマホとして初めて、生成AIを取り入れた機能です。
また、「代わりに聞いときます」機能も備えています。これは、着信があったときに機械の応答に切り替えられるというもの。知らない人からの着信で直接話すのをためらうときに便利に使えるとしています。
なお、文字起こしや要約のタスクはオンデバイスAIを用いて端末上で処理する形です。つまりAI機能を使う際もプライバシーは保たれていて、通信容量を使う心配もいりません。
「つよかわ」がテーマのAQUOS wish4
AQUOS R9と同時発表のエントリーモデルにあたるAQUOS wish4も新デザインになりました。
AQUOS wish4のテーマは「つよかわ」。かわいいビジュアルでいて、実は頑丈に作られています。手頃な価格に抑えて、スマホを初めて手にする若い人に使ってほしいという製品です。
画面は約6.6インチと、シリーズの中で最大に。動画をゆったり見られるサイズ感になっています。カメラも5010万画素に強化して、夜景も撮れるようになりました。
防水防塵に加えて、ハンドソープで洗える動作確認を実施。お風呂で使えることも確認しています。耐衝撃性能はMIL規格に準拠していて、何回か落としたくらいでは壊れません。
海外展開を強化、スペックも現地のニーズを見越した仕様に
シャープはAQUOS R9とAQUOS wish4で海外展開を強化する方針です。AQUOS R9は日本、インドネシア、台湾、シンガポールで順次発売。AQUOS wish4は日本、台湾、シンガポールへ展開します。
“日本発のスマホ”として海外でも販売できるように、現地のニーズを見越した仕様を調整しています。
たとえばAQUOS R9では、内蔵スピーカーを強化していますが、これは東南アジアでは地下鉄で通話する習慣が当たり前になっているなど、大きな音が求められるためだといいます。
一方AQUOS wish4の場合は、大画面や5000万画素カメラも海外展開を見越してのものでしょう。そのうえでシャープは、日本のスマホならではのこだわりを訴求します。「ハンドソープで洗える」といったようなスペックに現れない特徴が、海外展開時のアピールポイントになるようです。
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お詫びと訂正:初出時、一部記載に誤りがございましたので訂正しました。