涼しい顔で一発を量産(ブレーブスのオルソン) (C)ゲッティ=共同

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強力ブレーブス打線に君臨するキング

■マット・オルソン(29=ブレーブス・内野手)

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 昨季のブレーブスは2位ドジャースに50本以上の差をつける、チーム本塁打307本をマーク。そんな強力打線の中軸を担うのが、昨季のリーグ本塁打王だ。

 昨季は162試合全試合に出場し、54本塁打、139打点でリーグ2冠をマーク。いずれもブレーブスの球団記録を更新した。打率.283も同12位とバットコントロールにも長けている。

 生まれも育ちも地元のアトランタ。2012年ドラフト1巡目でアスレチックスから指名され、主力として活躍。しかし、21年オフ、当時ブレーブスの主力だったフリーマンの残留交渉に失敗した球団が、オルソンに目をつけた。有望株4選手を放出してトレードでオルソンを招き入れると、8年1億6800万ドル(当時約193億円)の長期契約を結んだ。

 直球、変化球問わず、低めのボールを見極める能力に長けている。昨季は多くの投手が真ん中から低めのストライクゾーンに投げ、一発を浴びている。

 一塁守備にも定評があり、範囲こそ広くないものの柔軟なグラブさばきでゴールドグラブ賞受賞2回。これまで何度も味方投手の苦境を救っている。

パワー、スピード、技術に死角なし

■ロナルド・アクーニャ(26=ブレーブス・内野手)

 昨季のナ・リーグで大谷以上の強烈なインパクトを残した。

 217安打(リーグ1位)、41本塁打(4位)、106打点(6位)、73盗塁(1位)、打率.337(2位)、出塁率.416(1位)と圧倒的な成績で、ア・リーグの大谷(当時エンゼルス)とともに満票でリーグMVPに選出。前人未到の「40本、70盗塁」を成し遂げ、メジャー史上にその名を刻んだ。

 さらに昨季の84三振はリーグ66位という少なさ。80四球は同8位と、選球眼も兼ね備えている。パワー、スピード、技術、どれを取っても穴が見当たらない選手だ。

 一躍シンデレラボーイとなったアクーニャだが、3年前は「地獄」を見た。

 球宴に出場した直後の2021年7月、右翼守備中にジャンプして着地した際に、右足を負傷。「右膝前十字靱帯断裂」の大ケガにより、22年4月に復帰するまで療養とリハビリ生活を余儀なくされた。

 ブレーブスは21年に26年ぶり4度目のワールドシリーズ制覇を達成したものの、アクーニャは当然、カヤの外だった。

 当然、狙うは世界一。2月のオープン戦で痛めた右膝も軽症で、大谷の最大のライバルになる。

イチローも評価するメジャー屈指の安打製造機

■ルイス・アラエス(26=マーリンズ・内野手)

 現在のメジャーで最もバッティング技術に秀でた選手と言っても過言ではない。

 2019年にツインズでメジャーデビューを果たすと、打率3割を切ったのは21年の1回のみ。昨季まで2年連続でシルバースラッガー賞を獲得している。22年は首位打者に輝き、アーロン・ジャッジの3冠を阻止。マーリンズに移籍した昨季も巧みなバッティングで打率.354をマークし、今度はナ・リーグ首位打者を獲得。異なるリーグで2年連続首位打者になるのは、メジャー史上初の快挙だ。

 イチローも惚れたというバッティングの最大の特徴は広角打法。打球方向が偏らないスプレーヒッティングは、満遍なく水をまく「スプリンクラー」にもたとえられている。

 しかも、打つだけの選手にあらず。二塁を中心に一塁もこなし、22年のシルバースラッガー賞はユーティリティー部門での受賞だった。昨季は主に二塁を守り、いずれもリーグトップの守備率.993、93併殺をマークした。

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