23-24スペイン1部リーグ第33節、アトレティコ・マドリード対アスレティック・ビルバオ。ゴールを決めた後、腕をたたいて肌の色を示すアスレティック・ビルバオのニコ・ウィリアムス(2024年4月27日撮影)。(c)OSCAR DEL POZO / AFP

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【AFP=時事】サッカースペイン1部リーグのアスレティック・ビルバオ(Athletic Bilbao)に所属するニコ・ウィリアムス(Nico Williams)は27日、この日行われたアトレティコ・マドリード(Atletico de Madrid)戦で、「愚かな人々」から人種差別的な侮辱を受けたと明かした。

 ニコ・ウィリアムスは試合の前半、CKの準備をしていた際に暴言らしきものを耳にして審判に相談し、サポーターへの警告のためにプレーは一時中断となった。数分後にゴールを決めたニコ・ウィリアムスは、自らの腕をたたいて肌の色を示して得点を喜んだ。

 ライブストリーミングサービス「DAZN(ダゾーン)」に対してニコ・ウィリアムスは、「コーナーを蹴りに行ったら、サルの鳴きまねが聞こえた。そんなに多くはない。でも愚かな人々はどこにでもいる。この状況が少しずつ変わっていくことを願っている」と述べた。

 ゴールセレブレーションについて、自分を侮辱した人々への返答だと明かしたニコ・ウィリアムス。

「少し怒りを感じた。肌の色を理由に侮辱されるのは普通ではない」

 アトレティコのコケ(Jorge Resurreccion Merodio 'Koke')は試合後、ニコ・ウィリアムスに対する「支援と強さ」を申し出た。

「われわれの社会にそういった侮辱をする人たちの居場所はない。アトレティコ・マドリードとファン全員はニコを支持しているし、スタジアムや社会であってはならないこうした状況に反発する」

 スペインのサッカー界では近年人種差別的な事件が相次ぎ、その多くがレアル・マドリード(Real Madrid)のビニシウス・ジュニオール(Vinicius Junior)に向けられたものとなっている。

 試合は、来季の欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League 2024-25)出場権が獲得できる4位につけるアトレティコが3‐1で勝利し、5位ビルバオとの勝ち点差を6に広げた。

【翻訳編集】AFPBB News

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