大谷翔平の“独白会見”に米記者が抱いた「4つの疑問」 最も厳しく糾弾されたのは陣営の対応「無能ぶりが際立つことに」
会見場での撮影は限られた人間しか許されておらず、現場にはテレビ中継の画面を収める記者もいた。(C)Getty Images
世界的な注目を集めていた元専属通訳の違法賭博問題に、ドジャースの大谷翔平が初めて口を開いた。
現地時間3月25日にドジャースの本拠地であるドジャー・スタジアムで行われた会見は約12分間。質疑応答が許されない一方的なものとなったが、騒動の時系列、そして自身の胸中などを赤裸々に語った。
【動画】大谷翔平、騒動後初の肉声! 異例の会見での様子をチェック
大谷本人から「今日話せることに限りがあるのをご理解してほしい」と釈明はあった。スキャンダルが捜査中であることを考えても、当事者として公にできない点は多々あり、それは理解できた。それでも文字通り“独白”と言える異例の会見には、疑問の声が上がったのも事実だった。
米版『Yahoo! Sports』のジャック・ベアー記者は「ドジャースのスターが自身の言い分を語った後に残った4つの疑問」と銘打った記事を掲載。会見内容をふまえて「全てが事実ならば、オオタニは7桁もの金額の盗難だけでなく、MLBに来て以来、『親友』だと思っていた人物の裏切りに遭った被害者となる。ただ、突飛な話もあり、いくつかの疑問も残った」と強調。下記の4つを疑問として列挙した。
「MLBスター選手の銀行口座から450万ドルも消えたことに、なぜ誰も気づかないのか?」
「ESPNがこのスキャンダルを報じた時に、誰もショウヘイ・オオタニと真剣に話をしなかったのか?」
「イッペイ・ミズハラの計画とはいったい何だったのか」
「いつになったら、この問題に決着となるのか」
いずれも会見で「全てが嘘だった」と持論を語った大谷に対する真っ当なクエスチョンと言えよう。とりわけベアー記者が追求したのは、2つ目の疑問だ。
同記者は、大谷が水原氏の問題行動を知ったのが、20日の開幕戦直後だったという発言をふまえ、「代理人、スポークスマン、弁護士など、オオタニの関係者は誰も日本語を話せないようだが、自らがギャンブル依存症であることを認め、借金返済のために顧客を利用していた通訳以外の誰とも、オオタニと本当に話さなかったのだろうか?」と指摘。そのうえで、次のように強く糾弾している。
「もし、いずれの発言も事実であるならば、オオタニ陣営の無能ぶりが際立つことになる。そしてミズハラがどれほどオオタニの人生にどれだけ深く入り込んでいたかを示している」
たしかに疑問は残った。しかし、大谷本人が自身の肉声で持論を公言したことで、あらゆる論争を繰り広げていた世間がわずかに静まった感もある。異例と言える会見はやる価値が大いにあったと言えそうだ。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]