JRT四国放送

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4月7日投開票の徳島市長選挙に立候補を表明していた現職の内藤佐和子市長が、立候補を断念する意向を示し、3月13日、会見を開きました。


再選を目指す意思を表明も 3月13日の朝にX(旧Twitter)で...


徳島市の内藤佐和子市長は、再選を目指して4月の市長選に立候補する意思を表明していましたが、3月12日までに周辺議員に対し出馬を断念する意向を伝え、13日の朝、X(旧Twitter)で、自ら断念を表明しました。

内藤市長は徳島市出身の39歳、4年前の市長選で現職を破り、当時、全国最年少の女性市長として初当選しました。

市の財政の立て直しを図った一方、保育施設整備事業への補助見直しや阿波おどりの運営を委託していた共同事業体への契約打ち切りなどで反発を招き、2022年1月には、市民団体によるリコール運動に発展しました。

4月の徳島市長選挙には、これまでに元衆議院議員の福山守氏と前市長の遠藤彰良氏が立候補を表明しています。


3月13日午前 内藤市長が会見


13日の午前、徳島市役所で会見を開いた内藤市長は、少し笑みを浮かべているように見えました。

(内藤佐和子徳島市長)
「今回の選挙。今の批判の応酬だったり、批判合戦だったりとか、そういうような状況で選挙が進んでいるような感じが私はしている。課題の本質を捉えて、皆さんに市長選挙を戦ってもらたいという風にも思っているし、次の徳島市のリーダーを、そのような中で誰にするのかというようなことを考えて選んでもらいたいと思い、今回不出馬を決めた」

立候補を断念した理由としては、市長の仕事をしながら選挙戦を戦い抜くには「体力が不足している」ことを挙げました。

また、断念を決めたのがこの時期になったことについては。

(内藤佐和子徳島市長)
「3月12日、昨日ですが、これより後ろになってしまうと選挙ムードに突入していって、悩んでいてもいつなのかというのがずるずる進んでいくように思いましたので、ここしかないと思いまして」

会見では、支援者に対する感謝の言葉も口にしました。

(内藤佐和子徳島市長)
「この4年間、また選挙戦になってからもご支援いただいた全ての方に感謝を申し上げたいと思いますし、ご迷惑を不出馬によっておかけした方々には、申し訳ない気持ちでいっぱい」

最後に4年間でやり残したことを問われると。

(内藤佐和子徳島市長)
「前に進み始めたまちづくりだったりとか、新町西の再開発であったりとか、いま進み始めていますが、この徳島の街がどうなっていくのかを市長として次はできないんだと思うと、少し寂しく思う。これが『断腸の想い』かという感じです」

約1時間の会見を終え、最後も笑みを浮かべたまま会見場をあとにしました。

内藤市長の任期は、4月17日までです。


突然の立候補断念 議員の受け止めは?


会見前、議員らは内藤市長のSNSの投稿を受け、慌ただしく確認に動いていました。

(船越智子議員)
「分からないんです状況が」

(増田秀司議員)
「そりゃ市長の考えなんで。出馬を止めるんはいいんですけど、タイミングが悪い。(議会)開会中にするなんてとんでもない。するなら閉会日の19日以降に」

(小野功晴議員)
「過去最大の予算を提出して、その審議中に『次は出ません』というのは、議員全員に対して無責任でしかない」

(加村祐志議長)
「体調が思わしくないとは聞いておりました。3月31日の告示に向けて準備を進めていただけに残念です」


一方で市民は?


市民はどう受け止めたのでしょうか。

「(決断するの)遅かったんちがうん。もう31日に告示でしょ、日にちがないでぇね」

「リコール運動とか、それが関係あるかどうか分からないけど、そういうこと考えられたのかな」

「やっぱり自信がないけんやめたんじゃ」

「非常に積極的に市政に対して対応されたと思う、非常に残念です」

「(内藤市政は)なんか思ったよりは期待が外れたかなという風に思いました。残念ですけど新しい候補の方に交代して政治するのもいいかなと思いました」


立候補断念の兆候はあったのか


内藤市長の立候補断念は、3月9日の公開討論会を突然、欠席したことから、関係者の間でその可能性がささやかれていました。

8日の徳島市議会では、内藤市長は普段と変わらない様子で議員の質問に答えていました。

(内藤佐和子徳島市長)
「私自身が先頭に立って、全国の自治体の首長や…」

ところがその翌日、市長選の立候補表明者3人による公開討論会を、体調不良を理由に急遽欠席しました。

これをきっかけに、関係者の間では立候補見送りの可能性がささやかれ始めました。

3月11日の市議会には出席したものの、このころから内藤市長は周囲に対し、立候補断念の意向を伝え始めていました。

そして3月13日の朝、内藤市長は自身のSNSで、立候補見断念を表明し、「150%職務を全うしながら、厳しい選挙戦を戦う体力はない」と、理由を説明しました。


取材にあたった記者は


(森本真司アナウンサー)
「取材にあたった山本和也記者です。山本さん、とにかくびっくりしましたね」

(山本和也記者)
「はい。しかしVTRにもありましたように、関係者の間では先週9日土曜日の公開討論会を発熱で欠席したあたりから『もしかすると…』という憶測が流れていました。そして12日、立候補断念の一報が流れたあと、私たち記者が市長室や事務所などに確認に走りましたが、結局本人は姿を現しませんでした。議会の場や会見ではなく、SNSでの表明というのも異例の展開だったのではないでしょうか」

(森本真司アナウンサー)
「今後はどうなりますか?」

(山本和也記者)
「これで市長選は、福山さんと遠藤さんの一騎打ちの公算が大きくなりました。いずれにせよ、内藤市長立候補断念の影響は大きいとみられます」