すりや置き引きが当たり前に起こる国の人からすれば、高価なものが誰からも奪われずに置いてある光景は、驚異に映るのかもしれません。シンガポールを旅行したある米国人が、「シンガポールでの究極のカルチャーショックだった」と表現して、SNSで話題となったのは、高級自転車が路上に立てかけられているシーンでした。

↑安全性で米国のはるか先を行くシンガポール

 

ニック・ウィッカ―さんが自身のXに投稿したのは、シンガポールの道端での写真。テイクアウト専門店のカウンターの近くに、2台の自転車が置かれています。これは、LVMH傘下のイタリアの自転車ブランド「ピナレロ」のドグマF12。1台1万5000ドル(約225万円※)もするのだそうです。

※1ドル=約150円で換算(2023年11月2日現在)

 

この自転車の所有者は、このテイクアウト店で注文して近くで食事をとっているのかもしれませんが、米国ではすぐに誰かに目をつけられて、自転車を奪われそうなもの。そんなことから、ニックさんは米国とシンガポールの治安の違いを目の当たりにしたのでしょう。

 

この投稿の閲覧数は111万回以上になり、5400以上のいいねがつき、大きな反響を呼んでいるのです。「米国人を驚かせる、“先進国”でよくあることだ」「どこでもこれがスタンダードであるべき」「私たちの国でも同じことができるはず」などのコメントが寄せられ、人々の社会的なマナーや秩序の良さに改めて感嘆した人が多かったようです。

 

ザ・エコノミスト・インテリジェンス・ユニットによる「世界の都市安全性指数2021」によると、シンガポールの安全性指数は、1位のコペンハーゲン、2位のトロントに次いで、世界第3位。特に犯罪率でのスコアは、東京と大阪に次いでシンガポールが高かったと評価されています。つまり、シンガポールは日本と同様に、安全性が高い都市のようなのです。

 

治安がよく、安全な場所は、旅行者にとってもメリットが大きいもの。そんな面でもシンガポールは魅力的な都市の1つといえそうです。

 

【主な参考記事】

New York Post. American tourist shocked to see $15,000 bike left safe, unattended on Singapore street. October 31 2023

The Economist Intelligence Unit. Safe Cities Index 2021