コレステロールを見極める! 医師が解説「LDLコレステロールが高いのに″健康で美しい人″の秘密」
医師のDr.あきこが睡眠・ダイエットなどの健康情報をわかりやすく発信するYouTubeチャンネル「マインドフル睡眠チャンネル」。今回の動画では、コレステロール値が高いのに"健康で美しい人"の理由を解説する。


この記事はYouTube配信「【ldlコレステロール 高い 原因】コレステロールが高いのに「健康な人」は何が違うのか?」から書き起こしています。

コレステロールが高いのに健康な人の秘密


「コレステロールが高いのに、美しくて健康な人」っていますよね?

そういう人の秘密は一体何なのか。今日はそれをお伝えしたいと思います!


「マインドフル睡眠チャンネル」では、眠れない・疲れやすい・痩せないといったお悩みを解決するお手伝いをしています。毎週木曜日はYouTubeLIVEの配信も行っていますので、是非遊びに来てください。

コレステロールの基礎知識



まず本題に入る前に、コレステロールの基本を押さえていただきたいと思います。

これ、大前提でコレステロール下げなきゃいけないと思っている人が多いんですけど、コレステロールって悪者じゃないんですよ。だからといって全部が良いものでもない。コレステロールの中には良いものと悪いものが入ってるんですね。

そもそもコレステロールというのは、体に必要な成分です。細胞の膜を作っているし、胆汁の元になっているし、そして性ホルモン。女性ホルモンや男性ホルモンを作る原材料になっています。これらが足りないと体はうまく回りません。

免疫とか骨に大事なビタミンDを吸収するにも油が必要で、コレステロールはとっても必要な成分なんですね。


そして、「コレステロールは心臓の病気とは関係ない」ということが、2018年にアメリカ心臓学会から発表されました。コレステロールが高いと心臓病になるよってことは、もうないんですね。

それともう一つ、覚えていただきたいこと・押さえておいていただきたいことがあります。


「LDLコレステロール」は、悪玉コレステロールと一緒くたに呼ばれることが多いですが、LDLコレステロールの中には、スモールデンスLDL小型高密度LDLといったLDLと、大型低密度LDL。大きくてふわふわとしているやつですね。


小さくてドーンと密度が高いパチンコ玉みたいなLDLと、大きくってふわふわとするピンポン球みたいなLDL。この2種類があるんです。

どう違うかというと、この小型のパチンコ玉みたいなLDLは、どっちかというと身体に悪さをします。動脈硬化を起こすLDLです。大玉のピンポン玉みたいなLDLは、心臓や血管を保護してくれる。身体にとっては良い働きをするLDLなんです。

この2つがあるということをしっかりと、まず押さえてから先の話を聞いていただきたいなと思います。

一部に健康的な食生活をするほど"LDLが上がる"人がいる


私、「健康コンサル」というのをオンラインでやってるんですけど、この健康コンサルに相談に来てくださる方の中には、LDLが200以上めちゃくちゃ高い方がいらっしゃるんですね。

めちゃくちゃ高いのに痩せてて、肌もツヤツヤして美しくて。そして、病気も生活習慣病とか何もない…そんな方がいらっしゃるんですよ。


「何で?」と思っていろいろ調べてみると、どうやら「一部の人たちは、健康的な食生活をすればするほどLDLが上がるようだ」ということが分かってきたんですね。


私が、去年たまたま出会った論文。2022年にデイブ・フェルドマンさんという方が出している論文があって、それがとっても衝撃的で『リーンマス ハイパーレスポンダー』と呼ばれる人達がいる。

その人達は、LDLコレステロールが200以上。HDLコレステロールが80以上、中性脂肪(トリグリセライド)70未満ということなんですね。こういうLDLは高いHDLでも高い。そして、中性脂肪が低いという一文がいるんですね。

この『リーンマス ハイパーレスポンダー』の人達っていうのを調べてみると、心臓の周りの血管の動脈硬化を調べたんですね。

動脈硬化っていうのは、ひどくなってくると石灰化し始めます。カルシウムが沈着したような感じになって硬くなっていくんですね。血管が硬いということは詰まりやすいということなんですね。

『リーンマス ハイパーレスポンダー』の私たちは、この心臓の周りの血管の石灰化は見られなかったんですね。ということは、LDLはすごく高いけれども動脈硬化は起こさないということなんですね。


デイブ・フェルドマンさんの論文によりますと、BMIが低い人ほど。そして、中性脂肪÷HDLの値が低い人ほど糖質制限をすればするほどLDLが高くなるということが分かったんです。この人たちのことを『リーンマス ハイパーレスポンダー』と呼び始めたのが、このデイブ・フェルドマンさんなんですね。

LDLコレステロールの新常識


私も多くの人の食事とか運動の指導をしてきて、やっぱり結果が人それぞれ違うなと思うことがあります。

低糖質の食事をして、LDLが下がっていく人もいれば変わらない人もいるし。リーンマス ハイパーレスポンダーの人達みたいに、めちゃくちゃ爆上りする人もいるんですね。


こういうことから考えると、LDLが高いから下げなきゃいけないといって、お薬は飲む必要は全くないということですね。

中には、パチンコ玉みたいな悪いLDLがたくさんある人もいます。そういう方はコレステロールを下げるお薬によって、悪いコレステロールを下げて心臓のダメージを抑えてあげることができるかもしれませんけれども、私はそれでもやっぱり「スタチン系の薬」とか飲むことはあんまり推奨しません。


なぜなら、HDLというとても良いコレステロールまでスタチンによって下がってしまうからです。


皆さんがLDLが高くて「これは困ったな…病気なのかな?」って思っていらっしゃる方がいましたら、ぜひ私の別の動画を見ていただいて「私は、本当に下げなきゃいけないんだろうか?」

「私のLDLコレステロールは良いコレステロールが多いのか?悪いコレステロールが多いのか?」よくチェックしてみていただきたいなと思います。


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最後までご視聴いただきまして、ありがとうございました。

動画


山下あきこ(やました・あきこ)
1974年、佐賀県生まれ。内科医、脳神経内科専門医、抗加齢医学専門医、医学博士。株式会社マインドフルヘルス代表取締役。

著書に『やせる呼吸 脳科学専門医が教えるマインドフルネス・ダイエット』(二見書房)、『こうすれば、夜中に目覚めずぐっすり眠れる:医師が教える、薬に頼らない3つの方法』(共栄書房)、『死ぬまで若々しく元気に生きるための 賢い食べ方: 医者が教える「糖質依存」がなくなる本』(あさ出版)。