行政院南部聯合サービスセンターで演説する大陸委員会の邱太三主任委員(閣僚)=2023年8月22日、同センター提供

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(台北中央社)新型コロナウイルスの感染拡大の影響で1年延期された第19回アジア競技大会は中国・杭州で23日に開幕する。台湾で対中政策を担当する大陸委員会の邱太三(きゅうたいさん)主任委員(閣僚)は18日までに、開会式の入場順について「China(中国)の次に配置されることは望まない」との考えを示した。教育部(教育省)体育署は、台湾選手団は国際オリンピック委員会の求めに応じて五輪モデルで参加し、「矮小(わいしょう)化されることは避ける」と強調した。

同大会はアジア・オリンピック評議会が主催。台湾は五輪モデルに従い、同大会に「Chinese Taipei」(チャイニーズタイペイ)名義で出場する。

邱氏は大手紙、自由時報の取材に対し、中国の統一戦線部門は3年にわたり成果を挙げられていないため、今年は機会さえあれば必ず小細工を働くはずだとの見方を示した。仮に開会式で台湾代表を「中国台湾」と呼ぶようなことがあった場合に選手に入場行進をさせるかどうかなどについては、緊急対策チームが随時監視し、対処する体制を整えていることを明らかにした。

体育署は邱氏の発言を受け、中華オリンピック委員会も中国側と意思疎通を図っていくと説明。選手団を予定通り大会に出場させ、無事に帰国させることを最高原則とする姿勢を強調した。

2010年の広州アジア大会では入場順にアルファベット順が採用され、台湾選手団は「TPE」の「T」を取って36番目に入場した。昨年2月に北京で開かれた冬季五輪では、中国語(簡体字)で国名の1文字目の画数が少ない順での入場となり、台湾は「中華台北」のプラカードで日本の次となる11番目に入場した。

杭州アジア大会は来月8日まで開催。台湾からは33競技に521人の選手が出場する。台湾がこれまでにアジア大会で獲得した金メダルは99個。今大会でどの選手が史上100個目の金メダルを獲得するのかに注目が集まっている。

(黎建忠、黄巧雯/編集:名切千絵)