「ラジオはホームだ」とも語っていた

「こんばんは、オードリーの若林です」(若林正恭)

「土曜の夜、カスミン」(春日俊彰)

「よろしくお願いいたします」

「ひとつよしなに」

こんなかけあいで始まる『オードリーのオールナイトニッポン(ANN)』(ニッポン放送ほか)が、7月1日深夜の放送で、700回を迎えた。

 700回を祝うケーキを、スタジオに入るときに見つけてしまった若林は、「ここのスタッフはほんとにサプライズが下手だよね」と笑わせながら、700回を迎えたことの感慨をこう語った。

「700回を目指してやってきた、というところがすごいあるんだよね。初回に言ってるんじゃないかな、『700回やりたい』って」

「続くと思ってた? 700回も。600回くらいかなと思ってた」

と、若林は中途半端な“節目”を迎えたことをおもしろがりながらも、「うれしいことだよね」と、しみじみと語った。

 本誌は、2018年に2人の『ANN』が放送10周年を迎えた、正真正銘の節目のタイミングで、スタジオにお邪魔している。10周年を迎えたことの感想を聞くと、2人はこう語っていた。

若林 自分では分析できないですね。いまだになんで? と思いますもん。

春日 春日が単純にひとつひとつの仕事で結果を出してきたってことですね。

若林 恥ずかしいな!(笑)

春日 私の場合は、想像すらできなかった状況にいますからね。ボディビルとか、東大受験だとか思いもよらなかった。10年以上前にK-1に出たり、潜水の記録に挑戦したりはしていたので、そういううっすらあったものが形になっていった。そう考えると、やはり私は結果を出してきたんでしょうね。ラジオも大きいですね。こうイジられてたから、あれはどうだとオファーされた企画もあるでしょうし。

 このとき、ちょうど40歳を迎えるタイミングだった2人。これから迎える40代と、『オールナイトニッポン』10周年を経て、今後についても尋ねていた。

若林 テレビの仕事は自分でコントロールできない部分があって。だって俺が、三菱さんのCMに!? って思うじゃないですか(笑)。30代半ばまではお笑い色が強い、カッコいいタイプの芸人になりたいという理想像があった。30代はそれがなくなった10年でもあり、得意なことが見えてきた10年でもありますね。そう考えると、自分でコントロールができるのはラジオと漫才だけなので、それが軸になるなと。いまの漫才の形は、春日という人間ができることを……と突きつめていって、できた形なんですが、この10年でいろいろ経験したから、春日ができることが増えちゃった。この前、「成長するな!」って怒ったんです(笑)。だから漫才は、“春日にできること” というのを頭の中で狭めずに考え直してみようと思ってるところです。

 春日 そろそろラジオで話す内容は変えていきたいですね。年相応の話をしたいじゃないですか、「子どもが〜」とか。10年後もラジオをやれてて、同じ取材を受けたとして、まだコサージュ(行きつけのキャバクラ)や、風呂なしアパートの話をしてたらさすがにヤバいですから(笑)。

 春日は2020年に、若林は2022年に父親となり、いまや“親バカトーク”は定番となっている。放送1000回を迎えたとき、2人のトークはどのように進化しているだろうか。