フィオレンティーナとウェストハムが激突! ECL決勝戦について知っておきたい9つのこと

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 日本時間6月7日の28:00(8日の4:00)にチェコの首都プラハで行われるヨーロッパカンファレンスリーグ(ECL)決勝戦では、フィオレンティーナ(イタリア)とウェストハム(イングランド)が対戦する。“ヴィオラ”と“ハマーズ”のどちらが勝っても久々のヨーロッパのタイトルとなるこの対戦に先立ち、様々なデータを紹介する。

[写真]=Getty Images、Icon Sport
■前回のヨーロッパのタイトルは1960年代

 欧州大会の決勝戦というのは両チームにとって頻繁にあるものではない。フィオレンティーナにとっては1989−90シーズンのUEFAカップ(現:ヨーロッパリーグ)でユヴェントスに敗れて以来のことだ。“ヴィオラ”が欧州主要大会の決勝で戦うのは今回が5度目。勝ったのは1960−61シーズンに第1回のカップ・ウィナーズ・カップの1度だけで、それがクラブにとって唯一の欧州でのタイトルとなっている。一方、ウェストハムは1975−76シーズンにカップ・ウィナーズ・カップの決勝でアンデルレヒトに敗れて以来の登場だ。最後に勝ったのは1964−65シーズンに同大会で1860ミュンヘンを破ったもの。“ハマーズ”は1999年のUEFAインタートトカップでも優勝しているが、こちらは優勝が複数クラブあるため、決勝戦という意味ではカップ・ウィナーズ・カップを最後とするのが一般的なようだ。

■対戦はこれが3度目

 ウェストハムの前身『テムズ・アイアンワークス』は1895年に創設され、フィオレンティーナもその約30年後となる1926年に誕生するなど。両チームともに古い歴史を誇っている。だが、これまでに両者が対戦したのはわずか2回のみ。1975年、現在はなくなったアングロ・イタリアン・リーグカップという大会をホーム&アウェイで戦い、どちらもフィオレンティーナが1−0で勝利を収めた。なお、アングロ・イタリアン・リーグカップは1969年から1971年、1975年から1976年まで行われ、イングランドのカップ戦(FAカップかリーグカップ)優勝チームとイタリアのコッパ・イタリア優勝チームが参加する大会。ウェストハムは1975年にFAカップを制し、フィオレンティーナは同年にコッパ・イタリアを制しての参加だった。

■悔しい思いをした両者

 フィオレンティーナがカップ戦の決勝戦を戦うのは、これが今シーズン2度目だ。ただ、5月24日に行われた今季のコッパ・イタリア決勝戦ではインテルに1−2で敗戦。ヴィンチェンツォ・イタリアーノ監督は「プラハではコッパ・イタリアの決勝とは異なる結末を迎えることができるか見てみたい」と“リベンジ”に燃えている。一方、ウェストハムは昨シーズンのヨーロッパリーグ(EL)準決勝でフランクフルトに敗戦し、欧州大会での決勝進出という“夢”にあと一歩届かなかった。その直後にキャプテンのイングランド代表MFデクラン・ライスが「我々は必ず戻ってくる」と宣言。コンペティションは違うものの、見事に有言実行を果たした。フィオレンティーナはセリエAで8位に終わり、ウェストハムはプレミアリーグで14位。ともに来シーズンの欧州大会に出場するにはここで勝つしかなく、クラブの命運も大きく変える対決となる。

■舞台はエデン・アレーナ

 決勝戦が行われるのはチェコの首都プラハにある『エデン・アレーナ』。スラヴィア・プラハが本拠地として使用しているスタジアムで、フィオレンティーナのチェコ代表MFアントニン・バラク、ウェストハムの同代表MFトマーシュ・ソウチェク、同代表DFヴラディミール・ツォウファルにとっては古巣となる。開催地について、バラクが「決勝がプラハというのは僕にとっては感慨深い。言葉を失うほど興奮している」と意気込むと、ソウチェクも「僕のキャリア最大の試合。ビッグゲームの経験はあるけれど、ヨーロッパのタイトルが懸かった試合は初めてだし、しかも会場は『エデン・アレーナ』だ」と張り切る。ツォウファルは「あまりに多くの人がチケットを頼んできたから、私だけで完売させられたよ」とジョークを交える余裕を見せ、優勝した暁にはチェコのビールをチームメイトに奢る約束までしているという。ちなみにチェコで欧州の主要大会の決勝が開催されるのは、これが初めて。3人とも思い出の地でタイトルを掲げる姿を見せようと、高いモチベーションで臨むことだろう。