東京・新宿区のスロープ内に置かれた石のブロック(ryotさん/@ryot1204 撮影)

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東京・新宿区の「新宿ゴールデン街」付近にあるスロープ内に石のブロックが置かれていた問題で、区がブロックを撤去する方針だとわかった。2023年6月2日、J-CASTニュースの取材に担当課が答えた。

ブロックをめぐっては、4月末にSNSで問題視する投稿があり、「車椅子通れない」などと批判を集めていた。その後、ブロックはスロープの端側へ寄せられていた。

新宿区役所が設置したものではない」

事の発端は、ツイッターユーザーのryot(@ryot1204)さんの4月29日の投稿だった。新宿ゴールデン街付近にある「新宿遊歩道公園 四季の路」に面するスロープ内に置かれた石のブロックを写真付きで紹介し、これを問題視した。

スロープの間には2つのブロックが近くに並んで置かれており、車椅子を使う人などの通行が難しい状態になっている。この投稿は6万3000件以上の「いいね」を集めるなど話題になり、他のユーザーから「車椅子通れない」「なんのためのスロープだ」といった批判の声が上がった。

その後、ryotさんは5月20日、スロープの通行口の手前に、通路を開けるような形でブロックが動かされていたことを報告している。

ryotさんは取材に、家族に車椅子ユーザーがいると、問題提起をした背景を説明。ブロックが移動されたことについても、「この状態でも躓いたりする原因にはなるので、最終的には完全撤去が望ましい」とした。

そもそも、ブロックはどのような経緯で設置されたのか。新宿区役所みどり公園課は20日の取材に、「新宿区役所が設置したものではないと判断しています」と説明し、「現在調査中でございます」と話した。

4月29日の投稿が話題になり、同課が5月1日に現地を確認すると、ブロックはすでに動かされており、車椅子が通りやすい状態になっていたという。誰がいつ動かしたのかは分かっていないと述べる。

同課は、今回のブロックについて「我々も『動くんだ』と思ったところであります」と驚きを示した。新宿区が車止め柵といった工作物を公園などに設置する場合、通常は地面から動かないように鍵をかけるなどするという。

撤去までに1〜2か月かかる見通し

J-CASTニュース編集部記者が30日、現地を確認しにいくと、ryotさんが20日に投稿した写真と同様に、スロープの左右にある手すりの前に2つのブロックが置かれていた。車椅子でもスムーズに通行できるような幅になっている、との印象を受けた。

新宿区役所みどり公園課は6月2日の取材に、ブロックを撤去し、代わりの車止めを通行の妨げにならないような形で設置する方針だ、と明かした。

「(編注:車止めとして)代わりになるものを今準備しておりまして、工事で発注する予定なんです」とし、その際に一緒にブロックを撤去する予定だと取材に答えた。

車止めのような工作物を一本立て、その両サイドには90センチ以上空くような形になるという。撤去までには1〜2か月かかるという見通しだ。同課は「車椅子の通る幅は90センチ以上だという規定がございます」と述べている。