大谷翔平の「優しさだけじゃない、したたかさ」…“神対応” は審判を味方につける目的も
ピッチクロックについて球審と話し合う大谷(写真・アフロ)
MLBでも投打に大活躍を見せる大谷翔平(28)。日本時間4月7日現在、打者としては6試合に出場、打率.286、2本塁打、6打点。投手としては2試合に先発して1勝0敗。投球回数は12回で18奪三振、防御率は驚異の0.75である。
開幕前、米国メディアはMVPとサイ・ヤング賞ダブル受賞も「現実的」と謳っていたが、まさにそのとおりの展開だ。
そんななか、唯一心配なのが今季から導入された新ルールの一つ「ピッチクロック」だ。6日のマリナーズ戦では、投打ともにバイオレーション(違反)を取られた。1回裏、投手として違反を取られると、この回終了後に自軍ベンチ前で球審と “緊急会議” に臨んでいた。
“事件” は、そのときに起きた。
相手マリナーズの投手が、投球練習のボールを球審に要求。球審は話に夢中になっていたが、気づいた大谷が球審のボールポケットからボールを取り出し、笑顔で相手投手に。この光景は瞬く間にネット上で拡散され、《優しさあふれる行動》《素晴らしい振る舞い》などと賞賛の声があがった。
「大谷のこうした “気遣いルーティン” は、渡米直後から何度も話題になってきました。今季も打席に入る前、球審、相手捕手、相手ベンチへの挨拶は欠かさず、ゴミがあれば拾います。それも自然な感じでおこなうので、ファンは増える一方です」(スポーツ紙記者)
一方、大谷の行動は、「優しさだけじゃない」という意見もある。
「米国と日本では、審判の “身分” がまったく違います。MLBの選手は、審判に対してよほどのことがない限り、文句を言いません。少しでも反抗的な態度を取れば、怒鳴られて即退場です。NPBと比べて、“権威” があるんです。
逆に言えば、審判に好意を持たれ、味方につければこれほど心強い存在はありません。だから、大谷は審判に不遜な態度をとらないし、頭に来ることがあっても我慢して、笑顔で接する。そこは頭のいい大谷ですから、計算もあるでしょう。
渡米する際、大谷はあらゆる関係者から『審判に文句は言うな。むしろ味方にしろ』と散々注意されたと聞いています。審判に抗議したところで、『損はあっても得はない』ことがよくわかっているのです。
大谷は、自分が100%のプレーをできれば、結果を出せるという自信がある。彼が球場で見せる “気配り” には、優しさだけじゃないしたたかさもあるんです」(現地紙記者)
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