アドベンチャーツーリズムの活性化へ JATOがアカデミー創設 JAL・JTBと共同で
日本アドベンチャーツーリズム協議会(以下、JATO:東京都品川区)は1日、日本航空(JAL)およびJTBと共同で「アドベンチャーツーリズムアカデミー」を創設した。国内でアドベンチャーツーリズムの存在感を高め、市場の成長を狙う。
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アドベンチャーツーリズムとは、「自然」「アクティビティ」「文化体験」の内、2つ以上を組み合わせた旅行形態のこと。アカデミーではシンポジウムの開催や国際的イベントへの参画、メディアへの発信など普及活動を行う。
人材の養成にも注力する。体験価値を提供する商品づくりができるよう、プログラムを策定。ガイドのトレーニングや実技講習も行う予定。アドベンチャーツーリズムの認証資格制度創設も視野に入れる。
モノの所有から体験を重視する「コト消費」へ消費者の関心が移っている。それを受けてアドベンチャーツーリズムのグローバル市場は急拡大しており、2017年に作成されたMedia Fact Sheet(ATTA)によると、世界で約72兆円にのぼる旅行形態と見られている。
だが国内では欧米と比較して市場が伸び悩んでおり、JATOは「導入期を脱していない」と見ている。アドベンチャーツーリズム自体の知名度が低く、知識を持ったガイドなど人材が不足しているためだ。また、商品化が可能なフィールドが整っていないという課題もある。
アカデミーの創設でこうした課題を解決し、観光産業の主要な事業領域に育て上げたい考えだ。JATO、JAL、JTBの3者は旅行事業や地域交流事業に取り組んできており、これまでに獲得した知見を活かしてアカデミーを運営する。
また、アドベンチャーツーリズムの受け入れ環境を整備するために、市町村やガイド、住民、観光施設が集まるコミュニティの創設も行う計画だ。持続可能な旅行にするために、環境保護や保全についてもガイドラインなども定め、自治体の条例整備の支援なども行う。