●『MIX』は野球知らなくても楽しめるのが魅力

お笑いコンビ・ティモンディの前田裕太、高岸宏行が読売テレビ・日本テレビ系アニメ『MIX MEISEI STORY 2ND SEASON〜二度目の夏、空の向こうへ〜』(4月1日スタート 毎週土曜17:30〜※一部地域を除く)の公式応援隊長に就任した。あだち充氏の不朽の名作『タッチ』の26年後を描いた『MIX』は、すっかり低迷してしまった明青学園の野球部を舞台に、血の繋がらない立花兄弟バッテリーたちが上杉達也らを擁して以来の甲子園出場を目指す青春ラブコメディ。『2ND SEASON』となる今作では、高校2年生となりチームの主役になった主人公たちが描かれる。

今回は愛媛県の強豪・済美高校で野球に打ち込んできたティモンディの2人に、『MIX』の魅力や野球部時代の思い出、コンビとしての今後の目標を聞いた。

ティモンディ(左から前田裕太、高岸宏行)

○■『MIX』は野球知らなくても楽しめるのが魅力

――お2人から見た『MIX』の魅力を教えてください。

前田:あだち先生の漫画は、スポーツを軸としながらも学校生活やラブストーリー、兄弟や家族との関係などさまざまな要素が盛り込まれているので、子どもから大人まで、野球のルールなどを知らなくても楽しめるのがすごいと感じます。

高岸:試合では漫画ならではのプレーが見られるのも面白いですが、「本当にこんな野球部が存在するんだろうな」と感じさせてくれるリアリティがあって、キャラクターに共感できて……読んでいくうちにどんどん没頭させられるところが魅力だと思います。

『MIX MEISEI STORY 2ND SEASON〜二度目の夏、空の向こうへ〜』メインビジュアル(C)あだち充/MIX MEISEI STORY 製作委員会2023

○■送球ミスで終わった高校3年生の夏

――『MIX 1ST SEASON』は、ミスによる敗退という悔しいシーンで幕を閉じました。野球をしていたお2人はあのラストをどう感じましたか。

前田:僕らもミスによる負けを山ほど経験していて、特に送球ミスのようなもので高校3年生の夏が終わったのでリアルだなと。甲子園優勝や大会MVPとなる選手の活躍を描いた野球漫画はたくさんありますが、『MIX』は華々しいストーリーだけじゃないからこそ、「こういうことあるよね」「僕もそうだったな」と共感できる方や救われる方もいるんじゃないかなと思えるシーンでしたね。敗退後も、反省している選手もいれば意外とケロッとしている選手もいて、自分もこんなふうに過ごせば良かったのかなと思い返すきっかけになりました。この立ち振る舞いについても、スポーツをしている方はもちろん、どんな仕事をしている方にも参考になる気がします。

高岸:僕らは野球をしているから特に共感できるのですが、ミスで夢破れることはどのスポーツでもありますし、本当にいろいろな境遇の方に当てはまりますよね。共感できるシーンがたくさんあるところが、作品が愛されている理由の1つだと思います。



――その続きとなる『2ND SEASON』のオススメのポイントを教えてください。

前田:主人公たちの成長を描いて、強くなったうえで敵とどう戦うかという視点だけではなく、対戦相手も同じ時間を過ごして同じようにレベルアップしているのがリアルで面白いです。野球選手のスター街道を歩んでいく立花兄弟だけではなく、チームメイトやライバルの成長にも注目してほしいです。

高岸:すべてがポイントです! 一挙手一投足食い入るように見てほしいです。

●先輩・サンドウィッチマンのように冠番組を

○■野球人生を漫画化すると「練習だけで10〜20巻」

――もしお2人の野球人生を漫画化するとしたら、どんな作品になりそうでしょうか。

前田:高校1年生のときに甲子園に出場しましたが、あくまで先輩に連れていっていただいただけですし、2・3年生のときには敗退しているので、華やかな漫画にはならないですね。だからこそ練習シーンがめちゃくちゃ分厚く描かれるんじゃないかなと(笑)。

高岸:ハードすぎる練習がメインの漫画になりますね。試合はオマケで。

前田:朝起きて、ランニングして、っていう朝練がめちゃくちゃ長くなりそうです。

高岸:練習メニューも豊富だったので、細かく描いていくと練習だけで10巻や20巻は余裕です。

――異例の“練習漫画”が誕生しそうですね。

前田:それだけ練習して決勝で負けるというのが、渋いですよね。我ながら、こんなに練習したなら報われてほしいです(笑)。



○■先輩・サンドウィッチマンのように冠番組を

――ここからはお2人のことについてもお伺いしたいのですが、高岸さんはNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』での好演が話題となったり、独立リーグ・ルートインBCリーグの栃木ゴールデンブレーブスに入団し、プロ野球選手になったりと昨年大きな変化があったと思うのですが、芸人さんを始めた頃と比べて、お仕事への意識の変化はありますか。

高岸:特にはありません。もともと“応援をしたい”という思いでこの仕事を始めたので、バラエティ番組にしろ野球にしろお芝居にしろ、誰にどう勇気や元気を与えられるか、ということを第一に考えてトライしています。

――新たに生まれた目標や夢はありますか。

高岸:これまで以上に、目の前の物事にチャレンジする姿勢や、共演者さんに対しての前向きな言葉で、より多くの人の応援に繋げていきたいです。

――前田さんも、麻雀のプロを目指し始めたり、さまざまな媒体でエッセイを連載されていたりと活動の幅を広げていらっしゃいますが、仕事の向き合い方への変化はありますか。

前田:今回のように、ずっと見ていた作品に関わらせていただいたりと仕事の変化はあるのですが、たとえば毎日牛丼を食べていた人が、高級フレンチを食べることが当たり前になってしまうのはどうなんだろうと。僕らには、芸人の仕事がなくてバイトして借金もしながら生活していた時代があるのですが、そのときのことを忘れて今のありがたい状況を当たり前だと思ってはいけない。これからも調子がいいとき、悪いときは絶対あると思うので、うわつかないように、芸人を始めた頃の思いや目標が初志貫徹でぶれないようにしたいと考えています。

――そんな中でのコンビとしての目標を教えてください。

前田:事務所の先輩であるサンドウィッチマンさんを見て「芸人ってかっこいいな」と思ってこの世界に入ったので、サンドさんのように冠番組を持つことが夢の1つです。サンドさんは『M-1グランプリ』チャンピオンにも輝いているので、まだまだ足りないものだらけですがそこも頑張りたいですね。あとは「ティモンディ面白いことやってるじゃん」と皆さんに思っていただけるコンビになれたら。高校生のときにエラーで一度夢破れた人生なので、立花兄弟と一緒に頑張りたいです。彼らのほうが先に甲子園に行く夢を叶えそうですが(笑)、『2ND SEASON』の展開に負けないように邁進していきます!



■ティモンディ

1992年8月25日生まれ神奈川県出身の前田裕太と、1992年10月8日生まれ愛媛県出身の高岸宏行によるお笑いコンビ。済美高校野球部で出会い、2015年にコンビ結成。レギュラー番組に『ハレバレティモンディ』(札幌テレビ)、『LIL LEAGUEのヴィクトリーグ!』(テレビ東京)など。4月からはNHK『天才てれびくん』にMCとして出演する。愛媛・伊予観光大使(愛称:いよかん大使)、愛媛かんきつ部 キャプテン・部長(キャプテン:高岸、部長:前田)も務める。