日経BPコンサルティングは3月24日、ブランド価値評価プロジェクト「ブランド・ジャパン 2023」の結果を発表した。調査は2022年11月、6万2,000人の一般消費者および有識者へのWebアンケート調査から、1,500のブランド力を評価したもの。

1,000ブランドについて一般消費者から回答を求める「一般消費者編」では、「フレンドリー(親近性)」「コンビニエント(利便性)」「アウトスタンディング(卓越性)」「イノベーティブ(革新性)」の4指標から、500ブランドについて有職者にビジネス・パーソンとしての立場から回答を求める「ビジネス・パーソン編」では、「先見力」「人材力」「信用力」「親和力」「活力」の5指標と5つの「企業評価項目」から、ブランド価値の「総合力」を算出している。

一般生活者編編「総合力」ランキング

一般生活者編「総合力」ランキングでは、「USJ」が90.7ポイント(偏差値)のスコアを得て首位を獲得した。任天堂、ワンピース、鬼滅の刃、呪術廻戦といった人気コンテンツとのコラボによりファミリー層の来園者が増加したほか、「ストレス買取センター」や「ぶっとびツアーガチャ」といったキャンペーンを次々と実施し、話題に。ストレスフルなコロナ禍での生活に、USJの「誰もが“超元気”になって、活気あふれる世界に変えていきたい」「NO LIMIT!」というコンセプトが刺さったよう。また、「全国旅行支援」も追い風になったとみられる。

その結果、「イノベーティブ(革新性)」と「アウトスタンディング(卓越性)」への評価が高く、「イノベーティブ」ランキングでは1,000ブランド中第1位、「アウトスタンディング」では2位に。さらに、「フレンドリー(親近性)」の評価が高まったことが首位獲得に繋がった。

続いて、2位「Google」(90.0pt)、3位「ユニクロ」(85.9pt)と、両者ともに前回からのTOP10入りを維持。前回TOP10外だった「ディズニー」(85.7pt)は、動画配信サービス「Disney+」の会員数が大きく伸長しているほか、入場制限が緩和された中、スペシャルイベント「ビリーヴ!〜シー・オブ・ドリームス〜」が好評になるなど、4位にランクアップ。5位は「ダイソー」(84.8ポイント)で、創業50年の節目となった2022年にグローバルの旗艦店を銀座に出店して、話題となった。

「総合力」の上昇が目立ったのは、若年層向け家庭菜園キットブランド「UETE(ウエテ)」を立ち上げた「タキイ種苗」で10.4pt上昇。また、節約意識が高まったことに加え、農家産直品の食品がお得に買える「メルカリShops」が好評の「メルカリ」が7.2ptアップ。さらに、値上げが避けられない逆風の中、健康機能を売りにする商品で追い風の状況に転じた「日清オイリオ」が8.9pt上昇するなど、今回調査では、コロナ禍でもたらされた行動規制が緩和されたことによる外出型消費の増加や、物価上昇による家計での消費支出への影響が大きい中で、「節約志向」「健康管理」「楽しさでストレスの発散」に貢献したブランドに注目が集まった。

ビジネス・パーソン編における、SDGsに貢献する企業活動の認知度では、「日清食品」が「飢餓をゼロに」で第3位(21.9ポイント)、「ベネッセホールディングス」が「質の高い教育をみんなに」で首位(25.9ポイント)を獲得。また、「トヨタホーム」が「住み続けられるまちづくりを」で首位(20.3ポイント)、「サラヤ」が「気候変動に具体的な対策を」で第2位(15.6ポイント)、「スターバックスコーヒー」が「パートナシップで目標を達成しよう」で第3位(14.7 ポイント)と高い評価を得た。