鶴房汐恩、JO1は“家族のような存在” 地上波連ドラ初主演で味わった「初めての感覚」とは
現在カンテレで放送中のドラマ『ブルーバースデー』で、地上波ドラマ初主演を務めるJO1の鶴房汐恩。劇中ではダブル主演を務める松井愛莉演じる尾崎花鈴と切ない恋模様を演じているが、連続ドラマという現場を経験し、鶴房はどんなことを感じたのだろうか――率直な胸の内に迫った。
アーティスト活動では「ガチで緊張しない」という鶴房がドラマの現場では……
鶴房が演じるのは、写真部に所属する高校2年生の蒼馬准。松井演じる幼なじみの花鈴とは互いに恋心を抱いているようだが、なかなか思いを伝えられない関係性。そんななか、花鈴の17歳の誕生日に、准は突然死んでしまう――というストーリーだ。
鶴房は「准と花鈴のラブストーリーという側面はもちろんなのですが、僕的にはサスペンス的な部分に魅力を感じました」と作品の印象を述べると「物語が進むにつれて、アッと驚くような展開になっていくので、恋愛はもちろんですが、物語の面白さにも注目してほしいです」と見どころを語る。
本作で地上波連続ドラマ初主演を務めた鶴房。普段はJO1のメンバーとして、多くのファンを魅了しているが「普段は音楽のお仕事をさせていただいているので、いつもと違う環境ということで不安でした」と正直な胸の内を明かす。鶴房にとってこうした不安や緊張というのは、非常にフレッシュな経験だったという。
「いつもJO1で仕事をしているとき、僕は本当に緊張しないんです。別にイキっているわけではなく、ガチで緊張しないんです」と強調すると「でもこのドラマの撮影のとき、かなり長いセリフを言うシーンがあり、そのとき『ちゃんと言えるかな』と胸の動悸がすごくて……。自分でもドクドクという心臓の音が聞こえるぐらい。そのとき『これが緊張なのか』と。とても新鮮な経験でした」と語る。
俳優として評価されれば「JO1は俳優もできる」と思ってもらえるかも
しかし、そのシーンをクリアすると一気にプレッシャーや緊張は解け「覚醒しました」と鶴房は笑う。「そこから自分が表現したいなと思うことがスッと出せるようになっていった気がします」と笑うと「いまは『ブルーバースデー』という作品を経て、お芝居にさらに興味が湧きました。自分の人生だけではなく、まったく違う人間の人生を歩むというのは、とても興味深いことだなと」と俳優業へのスイッチが入ったという。
また撮影のあいだ、一人で仕事をしたことも鶴房にとって、いろいろな発見があったという。「いつもは常にメンバーと一緒だったので、たまに一人になりたいなと思うことがあったんです。でも約1か月メンバーと会えなかったのですが、そのときメンバーから多くのことを与えてもらっていたんだなということに気づきました」。
具体的な例として、自身のキャラクターもメンバーがいるからこそ……であるという自覚ができたという。「一人で仕事していると、たまに(川西)拓実くんがいたら、ボケとツッコミで盛り上がれるなとか。メンバーと一緒にいると賑やかキャラでいられても、実はシャイなのであまり撮影現場とかでは素を出せなかったりするんです。そんなときに『いろいろ助けてもらっているな』と実感しました」とメンバーのありがたみをしみじみ語る。
JO1を「家族のような存在」と語る鶴房。「グループの活動は、あまり俳優業にリンクしていない」と語っていたが、演じる仕事をすることでグループに還元できるものはあるという。「まあそこまで重くは考えていませんが、しっかり僕が俳優として評価をしていただければ『JO1は俳優もできるんだ』と思っていただけるかもしれない。グループも音楽だけではない可能性も広がっていくのかな」と思いのたけを述べる。
芝居はもちろん、歌詞を書くことも――。まだまだやったことない仕事は「全部やりたい」
座長として臨んだ作品。俳優業への思いは高まったというが「甘く言えば100点、厳しく言うなら15点」と自身の仕事を評価する。点数の真意について鶴房は「僕的にはほとんど初の演技。しっかり現場をまっとうできたということで、自分を褒める意味で100点。でも俳優としてみたら、まだまだ皆さんのお芝居に助けられていたことばかりで15点です」と説明する。それでも「しっかり皆さんのような芝居ができるぐらいまでにはなりたい」と意欲を見せていた。
現在22歳の鶴房、劇中では17歳と27歳を演じている。学生服については「年齢的にまだギリギリ許されるかな」と語ると「周囲が『着ても大丈夫』というときまでは着させていただきたいです」とはにかむ。自身の17歳当時を聞くと「特にやんちゃしていたということもなかったですが、普通に学生生活を楽しんでいました。大阪に住んでいたので、アルバイトをしてUSJに行ったり、みんなが集まる場所みたいなところで楽しくおしゃべりしたり……。本当に普通の学生でしたが、とても楽しい3年間、大切な時間でした」と懐かしそうに語っていた。
今後は「ヤンキーの役や、サイコパスのような役も演じてみたい」と語った鶴房。さらに「お芝居だけではなく、僕は歌詞を書くのが好きなので、いつかは自分の思いなどを歌詞にして形にしてみたい」と野望を述べると「まだまだやったことないお仕事がたくさんあるので、欲張りに全部経験してみたいです」と目を輝かせていた。
取材・文:磯部正和
写真:稲澤朝博
ヘアメイク:佐々木美香
スタイリスト:門馬ちひろ
衣装クレジット:ブルゾン¥50600(トミー ヒルフィガー)・シャツ¥15400・靴¥38500(ともにトミー ヒルフィガー コレクション)/トミー ヒルフィガー カスタマーサービス その他私物
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