【冷凍の裏ワザ】味シミシミ煮物を作るなら…「冷凍大根」が正解!味染みと食感の両立が叶う魔法とは?

写真拡大 (全18枚)

2022年12月6日放送の情報番組『あさイチ』で、大根の冷凍術が紹介されていました。大根って、あまり冷凍するイメージがありませんが、冷凍することで味の染み込みがよくなるそう。ポイントは、めんつゆを混ぜた漬け汁で大根を冷凍すること!めんつゆ入りの「冷凍大根」を仕込んでおくと、時短調理も食感も叶うんですって。それ、本当!?「冷凍大根」を作って、生の大根との煮物比較をしてみます!

【料理の裏ワザ】野菜だけどガッツリ!ウマさ凝縮な「大根ステーキ」に挑戦!最高の食感&味の秘密は…

冷凍すると水分が抜ける!その分味が染み込みやすくなる

『あさイチ』で「冷凍大根」を教えていたのは、冷凍生活アドバイザーの根本早苗さん。根本さんによると、大根を冷凍すると細胞内の水分が氷になり、膨張することで細胞膜が破壊されるのだそう。それを解凍すると破壊された部分から水分が流れ出て、代わりに味が入っていくそうです。

ただし大根の冷凍にはデメリットも。冷凍によって細胞が破壊されると解凍後の大根がふにゃっとしてしまうそうなんです。そこでおすすめなのが、めんつゆを混ぜた漬け汁で大根を冷凍するという裏ワザです。

めんつゆに含まれる塩分によって浸透圧が働くそうで、冷凍しても大根は一部の細胞しか壊れずジューシーな食感が保てるんですって。

説明を聞いてもよくわからなかったので、実践あるのみ!「冷凍大根」を試してみます。

めんつゆがポイント!「冷凍大根」を作ってみた!



【材料】(1人分)
大根の輪切り…2個 
水…150ml
めんつゆ(2倍濃縮)…小さじ2

1.  大根の皮を剥きます。



煮込んだ時に食感が悪くならないよう、少し厚めに切るといいそうです。今回は厚さ2cmに切りました。

2.  保存容器に水とめんつゆを入れて混ぜ、大根の輪切りを浸して冷凍庫でひと晩冷凍します。



ちょうどいい大きさの容器がなかったため、ジッパー付き保存袋に入れました。「冷凍大根」の仕込みは10分もかかりませんでしたよ♪



1日冷凍しました。つけ汁ごと大根が完全に凍った状態に!

「冷凍大根」は煮物に最適なのか?生の大根と比較してみた!

『あさイチ』では「冷凍大根」を煮物に使うと、短時間で味が染みると紹介していました。生の大根を煮た時とどれくらいの違いがあるのか検証してみたいと思います。


左の鍋:生の大根+水150m 右の鍋:上記レシピで作った「冷凍大根」

左の鍋には皮を剥いて厚さ2cmの輪切りにした大根と水150ml、右の鍋には1日冷凍した「冷凍大根」を入れました。両方とも中火で加熱していきます。

【冷凍大根】


凍ったまま加熱したので沸騰するまでに10分かかりました。



中火で5分ほど加熱すると煮汁が半分くらいに減ったので、しょうゆとみりんを各小さじ1杯、砂糖を小さじ1/2杯加えて味付けしました。

竹串がすっと入るくらいのやわらかさになっています。



凍ったまま加熱してから30分で、煮汁がほぼなくなりました。大根には、ほんのりしょうゆの色が付いています。

【生の大根】


生の大根は水から中火で煮ると3分で沸騰しました。「冷凍大根」と条件を同じにするため、沸騰後にめんつゆ(2倍濃縮)小さじ2杯を加えました。



煮汁が半分くらいに減ったので、しょうゆとみりんを各小さじ1杯、砂糖を小さじ1/2杯加えて味付けしました。

少し力はいりますが、竹串が中に入っていくくらいのやわらかさになっています。



水から加熱して22分で、煮汁はほぼなくなりました。大根にはしっかりとしょうゆの色が付いています。

「冷凍大根」と生の大根、同じ味付けにした「大根の煮物」で味比べ

【冷凍大根】


中火で30分煮た「冷凍大根」です。表面も中も均一に味がしみこんでいるような色合いに仕上がりました。

食べてみると、味は全体的に染み込んでいて、おいしく仕上がっています。

ただ、食感が生の大根を煮込んだ時とは違います。少しザクッとした歯ごたえが全体的に混ざっているような感じです。固いというわけではないのですが、生の大根を長時間かけて煮込んだようなとろっと感ではありません。

生の大根のやわらかさと、切干大根のシャキッと感が混ざっているような煮物になりました。

【生の大根】


中火で22分煮込んだ大根です。表面の方が色が濃く、中心の方が色が薄くなっています。味が外側から中心に向かって染み込んでいったのがわかります。

食べてみると、やや固いかなと感じるくらいのやわらかさ。芯は残っていませんが、もう少し煮込んだほうがおいしくなるな、という印象です。

味は見た目通り、外側がしょうゆの味が濃く、内側は薄味になっています。「冷凍大根」と同じ分量の調味料を加えましたが、生の大根を炊いたほうが、味は濃く仕上がった印象でした。

「コンソメ冷凍大根」で「ポトフ」を作ってみた!



『あさイチ』では、めんつゆ入りのつけ汁以外にも、コンソメスープで「冷凍大根」を仕込めばポトフに、鶏がらスープで「冷凍大根」を仕込めば中華スープに利用できると紹介していました。



水150mlに固形コンソメを半分溶かしたスープに、厚さ2cmの輪切りにした大根を浸して1晩冷凍した「コンソメ冷凍大根」も仕込んでみました。



凍ったままの「コンソメ冷凍大根」を鍋に入れ、にんじん、玉ねぎ、キャベツ、ソーセージを加えて煮込んでいきます。野菜を加えると「コンソメ冷凍大根」の凍ったスープだけでは水分が足りないので、コンソメスープを適量足して作りました。

15分ほどでポトフが完成しましたよ♪ 大根はコンソメスープで冷凍していたので、短時間でも洋風の味が染み込んでいました。ただ「コンソメ冷凍大根」も固くはないのですが、ザクッとした歯ごたえがありました。

結論!「冷凍大根」のほうが味は均一に仕上がるが食感は好みが分かれそう



「冷凍大根」と生の大根の煮物比較から、味の染み込みのよさは「冷凍大根」のほうが優れていると感じました。

ただ、冷凍のまま加熱したので沸騰するまでの時間が必要になり、今回の比較では生の大根を水から茹でたほうが、時間的には早く仕上がりました。この点は調理前に「冷凍大根」を解凍しておくことで、短時間で煮込めるようになり、結果的には生の大根を煮るよりも短時間で仕上げることができると思います。

食感に関しては、「冷凍大根」にザクッとしたような歯ごたえが出るので、とろっとした大根の煮物が好きな方にはどうかな…という印象でした。

「冷凍大根」は冷凍庫で1か月くらいは保存できるそうなので、時短調理と大根の長期保存に向いていますよ。「冷凍大根」を仕込んでおくメリットはあると思うので、気になる方はぜひ「冷凍大根」を仕込んでみてくださいね。