注目の若手俳優・井之脇海が語る“理想のデート場所”とは？
NHKの朝ドラをはじめ、映画や舞台に引っ張りだこの若手実力派俳優・井之脇 海さん。
そんな井之脇さんに、ご褒美焼肉を食べつつ、2022年を振り返ってもらった。
リフレッシュ方法や理想のデートも明かしてくれた、実直な人柄が窺えるインタビューをお届けします！
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「役者の仕事って基本的に相手がいて芝居をするので、『大人の男』を演じる東京カレンダーの撮影は、なんだか不思議な感覚でした。
そう言って、はにかんだ井之脇 海さん。
先程まで焼肉を無邪気に豪快に味わっていた人とは思えないほど、実に静かで穏やかな佇まいに驚かされる。
最近まで、根を詰めて仕事をしていたという井之脇さん。「仕事ですけど、美味しいお肉を食べられるなんて、嬉しいです」とご満悦の様子
2022年はNHKの朝ドラ『ちむどんどん』から、TBS系ドラマ『クロサギ』まで、出演した作品は実に10本以上。
途切れることないオファーは、彼が若手実力派俳優として着実にキャリアを重ねている証拠だ。
だが、まだまだ20代。もう少し浮ついた雰囲気を纏っていてもおかしくないのでは？そう、こちらが訝しがるほど、落ち着き払った語り口。
妙に心地いいのだが、一体それはどこに起因するのだろう。
「たぶん、親からずっと“言葉に責任を持ちなさい”って、言われて育ってきたので、その影響でしょうね。でもインタビューはそんな苦手なタイプじゃないですよ。お話しするのは好きなので」
そう言ってくれて、少しホッとした。確かに彼のキャリアを考えれば、地に足がついているのも、当たり前かもしれない。
9歳から子役として活動し、意思を持って「役者になる」と決意したのは12歳。すでに人生の3分の2は、役者として生きているのだから。
今日まで役者ひと筋を貫くのは、「役者として、いろんな人生に触れて、いろんな価値観を知りたい」という思いが、モチベーションとしてあるからだという。
そんな自身の役者論に話が及ぶと…。
「他の人のことは分からないけど、僕は役者として匿名性を持ちたいと思っているので、あまり自分をさらけ出すものじゃないと考えています。
作品の世界に没入してもらって、役として見られることがやっぱり一番いいので。
だから、街で“矢作さん”（※『ちむどんどん』で井之脇さんが演じたヒロインの先輩の役名）と声かけてもらうのは、嬉しいですね。
だって、演じた役が作品を飛び越えて、この現実の世界で呼ばれるって、すごいことじゃないですか」
年末年始の予定を尋ねると、瞳をキラキラさせて、「久しぶりに大好きな山に登るんです」と教えてくれた。
「まだ山小屋の予約はしてないんですけど、行くとしたら、“山の友達”か父親とでしょうか。去年は登れなかったので、今年は楽しみにしています」
井之脇さんが山を好きな理由は、唯一、素をさらけ出せる場所だから。
「自然を前にすると、いつも敗北感を味わうんです。立っているだけでもう精一杯。表現だなんだなんて関係なくて、ただただ無力。その感覚を忘れちゃいけない気がしていて。
役をリセットするという意味でも、仕事と仕事の間に訪れることもありますね。いや〜でも、自然って、本当に守らないと消えてしまいますよ。
だからもし、僕をきっかけに山に興味を持ってくれる人がいるなら、PR的なマスコットでもなんでも担います！」
自分をさらけ出せる場所を守るためなら、前言撤回。井之脇 海というひとりの人間として、率先してその役目を担いたいと申し出た。
ちなみに理想のデートも山なのだとか。
「東京カレンダーの世界観とはちょっとかけ離れていて申し訳ないですが、山に登って山菜を摘んで。それを地元のお蕎麦屋さんに持ち込んで、天ぷらなんかにしてもらって、お酒と共にふたりで味わう。そんなのが理想ですね」
そう言って柔らかい笑みをたたえると、ウイスキーのロックを最後の1滴まで飲み干した。
「フードロスが嫌いなんです。ロケ弁の白米も最後のひと粒まで全部食べます。減量中でも残せません。
困っちゃうこともあるけれど、食べた分のカロリーはなんとか運動で消費して。お酒も同じです。頂いたものは残せません（笑）」
そういえば井之脇さん、撮影中に料理が残った皿を下げようとしたスタッフに、「後で食べたいので、取っておいていただけますか」とひと言。
よほどお腹が空いていたのかと思っていたが、そういうことだったとは。言葉に責任を持つという教え同様、これも母の教えだそう。
驕らず、どこまでも実直なその人柄こそ、彼が愛される理由だ。
■プロフィール
井之脇 海 1995年生まれ。神奈川県出身。9歳で劇団ひまわりに入団。コンスタントに作品に出演しながら、日本大学藝術学部映画学科演技コースを卒業。大河ドラマ3作、朝ドラ3作と、国民的作品に多数出演。最新作のNetflix制作オリジナルドラマ『今際の国のアリス シーズン2』が12月22日より配信予定。
■衣装
ジャケット 44,000円、パンツ 24,200円〈ともにスティーブン アラン／スティーブン アラン シンジュク TEL：03-5321-9970〉、シャツ 31,900円〈インディビジュアライズド シャツ／メイデン・カンパニー TEL：03-5410-9777〉、ヴィンテージ腕時計 602,800円〈オーデマ ピゲ／江口時計店 TEL：0422-27-2900〉、その他スタイリスト私物
▶このほか：【未公開カットあり】窪田正孝が日本酒を片手に語る、“食の楽しみ方”とは？
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東京カレンダー最新号では、井之脇 海さんのインタビュー全文をお読みいただけます。
東カレに語ってくれた、役者としての夢や覚悟の話とは？
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「今日は、地に足がギリギリついている状態で、背伸びをしている感じです。辛うじて足はついているんだけど、それがバレないようポーカーフェースで誤魔化していました（笑）」
撮影場所の『焼肉一七三 向山』は、コンクリートのグレーとフロアのウッドが効いたモダンな空間。天井高かつガラス張りの窓も、ムーディ過ぎず心地よい
