ポール・バトラーに右ストレートを繰り出す井上尚弥【写真:荒川祐史】

写真拡大

井上はバトラーを下して4団体統一に成功

 ボクシングの世界バンタム級4団体統一王者となった井上尚弥(大橋)。13日にポール・バトラー(英国)を11回KOで下し、アジア人初の快挙を達成した。世界中で快挙が伝えられたが、試合が日本で行われたことに「睡眠を大事にする北米人にとっては見るのが最も難しい」と嘆きの声を上げた米識者がいた。

 日本時間13日、午後8時頃にゴングが鳴った4団体統一戦。米国東部時間では同午前6時だった。米メディア「デフェクター・メディア」は「恐怖心はあなたをナオヤ・イノウエから救わない」との見出しで記事を掲載。著者は米国各紙に記事を寄稿した経歴があり、現在は同メディアで記者を務めるローレン・シーセン氏だった。

 シーセン氏は「ここ数年、イノウエは階級問わず最もエキサイティングなボクサーだった」とし、「しかし2度のベガスでの試合の後、彼(井上)は睡眠を大事にする北米人にとってはライブで見るのが最も難しい選手に戻ってしまった」と日本での試合が続く現状で、時差が悩みの種となっていることを嘆いていた。

 米国での井上人気について、記事では「彼は母国ではスター」としながら、米国ではペイ・パー・ビューで注目を得るために階級などの課題があることを指摘。日本で試合が行われることについては「仮に彼がマディソン・スクエア・ガーデンで試合をした場合に、大枚をはたいて見に行くだろう人間にとっては残念なことだ」とファンの気持ちを代弁していた。

 井上は、世界で最も権威ある米ボクシング専門誌「ザ・リング」や米スポーツ専門局「ESPN」のパウンド・フォー・パウンド(PFP)で2位に入るなど、世界的にも極めて高い評価を得ている。本場米国への再上陸を望む声もあるようだ。

(THE ANSWER編集部)