【漫画付き】「二日酔いを回避する方法」を医師が解説!
今日の飲み会は楽しみたいけど、明日は朝から予定があるから絶対二日酔いにはなりたくない! そんな日ってありますよね。自由が丘メディカルプラザ副院長の内科医・小林奈々先生に「飲む前から始める二日酔い対策」から、残念ながら飲みすぎてしまった場合の「二日酔いの回避策」、そして、二日酔いになってしまった場合の「早期回復法」を教えてもらいました。
小林 奈々(自由が丘メディカルプラザ副院長)日本大学医学部卒業後、日本大学消化器外科入局し、大学病院、市中病院で勤務を行う。その後、実家が経営をするさくら総合病院にて、救急を含めた外傷や消化器疾患の手術から、地域に根付いた一般診療まで担当。2015年より現職に就任し、一般内科・消化器内科の診療を行っている。
日本外科学会専門医、日本消化器病外科学会会員、日本消化器病学会会員、日本大腸肛門学会会員、日本内視鏡外科学会会員。
ゼリーなどとろみがあるものや、柔らかく胃を守ってくれるものがベストですね。脂肪成分に弱い体質でなければ、ヨーグルトやミルクなどもお勧めです。事前に胃腸薬を予防内服しておくことで、胃粘膜をガードすることもできます。ウコンなど、代謝を促す成分が含まれているドリンク剤やサプリメントを飲むのも一定の効果はあります。
ただ、一気に飲んでもなかなか吸収されないので、小分けにして飲むことが大切です。もう十分かなと思った後も、こまめに飲み続けてください。 編集部気持ち悪い時は、水分を取ると吐いてしまうこともありますよね。そんな時はどうしたらいいんですか?
そのため、胃に食べ物が残った状態で寝ると、翌朝、胃もたれが起きやすくなります。胃腸が弱い方は、食べたり飲んだりした直後には寝ないほうがいいかもしれませんね。胃は、基本的に右下に向かって流れているので、右側を下にして横向で寝ると、少し楽だという方もいるかもしれません。
ちなみに厚労省が推奨しているアルコール量は、1日20gです。ワインでボトル4分の1、ビールで中瓶1本です。適量はリラックス効果もありますが、くれぐれも飲みすぎにはご注意ください。編集部お酒の種類も気にしたほうがいいですか? 小林先生アルコール度数が高いものは二日酔いになりやすいです。その中でも、ブランデー、ウイスキー、ワインなど、色が濃いものがなりやすいとされています。また、蒸留酒よりは醸造酒のほうが二日酔いになりやすいようです。添加物の有無も関係しています。編集部飲み方で工夫はできますか? 小林先生アルコール度数の高いものをロックで、ハイペースで飲むのは危険です。血中のアルコール濃度を上げないことがポイントになりますので、飲み方は、ロックよりも水割りなど、薄めた飲み方がおすすめです。水で割ることで、水分補給にもなるので、脱水の予防にもなりますよ。しかしながら、その水分だけでは不十分ですので、別に水分は摂ってください。編集部最後に、医師ならではの二日酔い対策があれば教えてください 小林先生点滴は、血管にダイレクトに水分補給をすることができ、脱水症状は緩和することができます。昔は二日酔い解消のために点滴をするドクターもいたようですが、今は時代が変わったので、遅くまでは飲まずに、自己管理される先生が多いですね。むしろ、自由診療系のクリニックで二日酔い解消をうたう点滴が増えたため、どちらかというと一般の方が愛用する方法になっているかもしれませんね。
小林 奈々(自由が丘メディカルプラザ副院長)日本大学医学部卒業後、日本大学消化器外科入局し、大学病院、市中病院で勤務を行う。その後、実家が経営をするさくら総合病院にて、救急を含めた外傷や消化器疾患の手術から、地域に根付いた一般診療まで担当。2015年より現職に就任し、一般内科・消化器内科の診療を行っている。
日本外科学会専門医、日本消化器病外科学会会員、日本消化器病学会会員、日本大腸肛門学会会員、日本内視鏡外科学会会員。
飲む前から始める二日酔い予防策
編集部飲んでしまいそうなとき、二日酔いにならないように気を付けられることはありますか? 小林先生空腹時にアルコールを摂ると、粘膜を傷害されるため消化器症状が出易くなり、かつアルコール吸収が促進すると言われています。飲む前に何か口にしておきましょう。ゼリーなどとろみがあるものや、柔らかく胃を守ってくれるものがベストですね。脂肪成分に弱い体質でなければ、ヨーグルトやミルクなどもお勧めです。事前に胃腸薬を予防内服しておくことで、胃粘膜をガードすることもできます。ウコンなど、代謝を促す成分が含まれているドリンク剤やサプリメントを飲むのも一定の効果はあります。
飲みすぎてしまった場合、どうすればいい?
編集部気づいたら飲みすぎてしまったという場合の二日酔い回避策を教えてください 小林先生二日酔いの予防は、水分摂取がポイントですよ。アルコール自体にも、利尿作用があるので、脱水を起こしやすくなります。脱水症状のために、具合が悪くなることもあります。編集部脱水を予防するのが大切なんですね。では、どんなものを飲めばいいんですか? 小林先生水やお茶も良いですが、経口補水液やスポーツドリンクなど、身体に吸収されやすい飲み物のほうが、お勧めです。代謝を促すビタミンBやビタミンCを摂取するのもいい良いですし、飲酒により低血糖状態になっていることもあるので、糖の摂取もかねて、ビタミン類が豊富なソフトドリンクを飲むのも一案です。編集部どのくらい飲めばよいですか? 小林先生体格や状況にもよりますが、一般的には、飲酒中は摂取するアルコール量と同等量以上の水分を摂ることをオススメしています。二日酔いになった時は、脱水の状態によりますが、2L以上を目安として尿がしっかりと確保できる量を摂りましょう。ただ、一気に飲んでもなかなか吸収されないので、小分けにして飲むことが大切です。もう十分かなと思った後も、こまめに飲み続けてください。 編集部気持ち悪い時は、水分を取ると吐いてしまうこともありますよね。そんな時はどうしたらいいんですか?
小林先生自然と吐いてしまうのであれば、仕方ありません。飲んだものをすべて吐くわけではありませんし、吐きたくないからといって、水分を取らないのは危険です。脱水が進んでしまうので、こまめに水分は摂ってくださいね。
ただし、無理に吐くのは、胃に負担がかかるのでやめましょう。吐いたものを誤嚥してしまうと危ないので、吐いた後は横向きに寝るようにしてください。
編集部なるほど。そのほか、二日酔いの時の眠り方のポイントはありますか? 小林先生眠ると胃腸の動きが弱まり、消化力も落ちます。そのため、胃に食べ物が残った状態で寝ると、翌朝、胃もたれが起きやすくなります。胃腸が弱い方は、食べたり飲んだりした直後には寝ないほうがいいかもしれませんね。胃は、基本的に右下に向かって流れているので、右側を下にして横向で寝ると、少し楽だという方もいるかもしれません。
対策をしても二日酔いになってしまったら?
編集部起き抜けにはシャワーを浴びたいところですが、二日酔いの時には入浴も避けたほうがいいですか?汗をかいたら、脱水症状が進んでしまいそうです 小林先生確かに、脱水症状がある時の入浴は脱水を助長します。しかしながら、二日酔い解消のためには、代謝を上げるのも一つの方法です。水分がとれていて、体調不良がそれほどでもなければ、さっとシャワーを浴びるのは問題ありません。ただし、高温のお湯にはいったり、長湯をしたりするのは避けてください。編集部お風呂に入ると代謝があがるのはメリットということですね。では、散歩をするなど、軽い運動をするのはどうでしょうか? 小林先生無理に体に動かすと、アルコールを代謝するために、せっかく肝臓に集まっていた血液が全身にまわってしまいます。身体が辛い時は、無理に身体を動かさないほうがいいですね。編集部そのほかには、二日酔いになってしまったときの対処法はありますか? 小林先生頭痛時に鎮痛剤を飲んだり、胃もたれ時に胃薬を飲んだりするのは、対症療法にすぎません。ただ、苦痛感を取り除ければ、回復は早まるので、飲みましょう。血流が肝臓にいきやすいように安静にするのも大切です。二日酔いにならない飲み方とは?
編集部長期的に気を付けられることはありますか? 小林先生肝臓を整えるために、上質なタンパク質を摂取するように心がけるのは、健康のためにもよいですね。なにより、休肝日を作るのも大切ですよ。編集部まずは酒量を減らすところから気を付けたいですね。ちなみに、二日酔いになってしまう酒量はどのくらいですか? 小林先生アルコールの分解量は個人差があります。人に強要するのはもってのほかですし、加齢とともに分解能力も落ちてきますので、「昔は飲めたから」といって過信するのも禁物です。ちなみに厚労省が推奨しているアルコール量は、1日20gです。ワインでボトル4分の1、ビールで中瓶1本です。適量はリラックス効果もありますが、くれぐれも飲みすぎにはご注意ください。編集部お酒の種類も気にしたほうがいいですか? 小林先生アルコール度数が高いものは二日酔いになりやすいです。その中でも、ブランデー、ウイスキー、ワインなど、色が濃いものがなりやすいとされています。また、蒸留酒よりは醸造酒のほうが二日酔いになりやすいようです。添加物の有無も関係しています。編集部飲み方で工夫はできますか? 小林先生アルコール度数の高いものをロックで、ハイペースで飲むのは危険です。血中のアルコール濃度を上げないことがポイントになりますので、飲み方は、ロックよりも水割りなど、薄めた飲み方がおすすめです。水で割ることで、水分補給にもなるので、脱水の予防にもなりますよ。しかしながら、その水分だけでは不十分ですので、別に水分は摂ってください。編集部最後に、医師ならではの二日酔い対策があれば教えてください 小林先生点滴は、血管にダイレクトに水分補給をすることができ、脱水症状は緩和することができます。昔は二日酔い解消のために点滴をするドクターもいたようですが、今は時代が変わったので、遅くまでは飲まずに、自己管理される先生が多いですね。むしろ、自由診療系のクリニックで二日酔い解消をうたう点滴が増えたため、どちらかというと一般の方が愛用する方法になっているかもしれませんね。
編集部まとめ
事前にできる二日酔い予防策、飲んだ後からでもできる対策、二日酔いからの早期回復法まで学ぶこと出来ました。
【飲む前から始める二日酔い対策】
・胃に優しい食べ物を事前に食べておく
・胃薬を予防内服する
【飲みすぎてしまった場合の二日酔いの回避策】
・水分をしっかり摂取する
・スポーツドリンクやビタミンがはいった飲み物なら尚ベター
【二日酔いになってしまった場合の早期回復法】
・安静にする
・頭痛薬、胃薬などを飲む
・しっかり水分を摂取する
・軽くシャワーを浴びる
これを憶えておけば、もう二日酔いは怖くないですね!でも、二日酔いになってしまうほどの飲酒は身体に良くありません。くれぐれもお酒は適量で!
二日酔いに関する症状についてもっと詳しく知りたい方は、こちらの記事を参照してください。
二日酔いに関する症状の原因・病気一覧・診療科
医院情報
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電話番号03-6421-1080
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内科・糖尿病内科・消化器内科・内分泌代謝内科・循環器内科・耳鼻咽喉科
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