ソフトバンク・三森大貴【写真:藤浦一都】

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佐々木朗から奪った先制点に繋がった三森の二盗&三盗

■ソフトバンク 2ー1 ロッテ(26日・PayPayドーム)

 ソフトバンクは26日、本拠地・PayPayドームでロッテに2-1で競り勝ち、優勝へのマジックを「4」に減らした。5回に三森大貴内野手の好走塁で先制点をもぎ取ると、1-1の同点で迎えた8回には選手会長の今宮健太内野手が中前へ値千金の勝ち越し適時打。先発の東浜巨投手ら投手陣もロッテの反撃を1点に食い止めて3連勝とし、クライマックスシリーズ進出も決めた。

 この日、ロッテの先発は佐々木朗希投手。試合前から藤本博史監督が「なかなかそう簡単なピッチャーじゃない」と語っていたように、苦戦を強いられた。初回2死二、三塁、3回2死一、二塁、4回2死二、三塁と再三、得点圏に走者を置いたものの、剛腕にねじ伏せられて得点を奪えずにいた。

 均衡を破ったのは、積極的な“足攻”だった。5回、死球で出塁した三森が続く周東佑京内野手の打席で二盗に成功。さらに、牧原大成内野手への5球目には三盗も決めた。モーションの大きい佐々木朗とはいえ、三盗は成功の確信がなければ、仕掛けられない勇気の要るプレー。これが貴重な先制点に繋がった。

6回で佐々木朗希を降板させて生まれた8回の決勝点

 牧原大が空振り三振に倒れた8球目のフォークがワンバウンドに。捕手の松川がボールを弾くと、三森は一気に本塁へと生還した。直前の三盗がなければ、生まれなかった先制点。藤本博史監督も「どんどん、どんどん足でかき回すしかないし、なかなかヒットが続くわけじゃないからですね。ああいうのも1つの手です」とうなずく、この試合を左右するビッグプレーだった。

 必死の粘りも白星に繋がった。初回、3回の牧原大や、3回の甲斐はしっかりボールを選んで四球で出塁。佐々木朗が1試合で4四死球を与えるのは、今季2番目の多さだった。わずか2安打しか打てず、1点しか奪えなかったものの、しつこく食らいついて、6回までに97球を投げさせた。右腕をマウンドから引きずり下ろし、リリーフをつかまえて決勝点を奪った。

「6回で100球近く投げさせて、代わりっぱなで得点できた。これも1つの手かな」と藤本監督。もちろん最少失点で白星につなげた東浜ら投手陣の力投も大きな力になった。チーム全体からにじみ出る勝利への執念が、指揮官が「今年1番しんどかった」という熱戦の勝利につながった。

 これで優勝へのマジックは「4」に減り、残り試合は5試合。敵地で戦う5試合で4勝を挙げれば、自力で2年ぶりのリーグ優勝に手が届く。27日は移動ゲームで西武戦(ベルーナD)。「しんどいですけどね、もうそんなこと言ってられないし。全身全霊で頑張っていきたい」と藤本監督。残り5試合。死力を尽くして、ソフトバンクが頂点まで駆け上がる。(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)