【精神科医からのアドバイス】Twitterでクソリプや過度な嫌がらせを受けた時は、どうすればいいか?
うまくコミュニケーションできないことからくる孤独感、低い自己肯定感、SNSによる誹謗中傷やバッシングなど、今、生きづらさをかかえる人が増えています。そんな中にあって、毎日を心安らかに、快適に過ごしていくためには、どうすればいいのでしょうか? 発達障害(ADHD)、うつ病など、生きづらさを抱えながらも精神科医として活躍するバク先生は、ツイッターでのつぶやきが共感・絶賛され、今、人気急上昇中。そんなバク先生の初の著書『発達障害、うつサバイバーのバク@精神科医が明かす 生きづらいがラクになる ゆるメンタル練習帳』(ダイヤモンド社)の中から、生きづらさを解消するための実践的なヒントをご紹介してきた本連載。今回も、読者の方からのお悩み相談に対して、バク先生からのアドバイスをお届けします。
なぜ人は、SNSで度を越した嫌がらせや
クソリプをしてしまうのか?
皆様、こんにちは。バク@精神科医です。
この世の中には色々な悩みがあると思いますが、それでも考え方を変えたり、視点を変えることで「そこまで悩まなくても良かったのかな?」と思えるようになることもあるかもしれません。
本連載が、皆様のストレスをなるべく減らして、少しでも笑顔やリラックスのためのヒントになれば嬉しいです。では、本日いただいた質問はこちらです。
【質問】「Twitterでクソリプ、過度な嫌がらせを受けた時の上手なかわし方がありましたら、アドバイスをいただきたいです!」
これはシンプルイズベストというご質問ですが、Twitterを利用していると皆さん、大なり小なりこのような困ったご経験があるかもしれないですね。これはアカウントのフォロワーさんの多い少ないに関わらず発生する問題でもあります。
もちろんフォロワーさんが多いとそれだけ拡散されやすく、自分の意見と違う人の目にも触れやすくなりますが、バズは全く予想不可能な形で発生します。
色々な人の目に触れる確率は上がるものの、一方で発生するのがいわゆる「クソリプ」問題や「ネットでの度を越した嫌がらせ」問題です。
なぜ人は、クソリプや度を越した嫌がらせを行ってしまうのでしょうか?
そもそもクソリプとはなんなのでしょうか? Wikipediaを調べてみました。
クソリプとは、「クソなリプライ」のことで、主にTwitterやインスタをはじめとするSNSにおいて、FF外(非相互)から来る「セクハラ系」「愚問系」「自己中系」「上から目線系」「難癖系」「偏見系」「恨み節系」「誤解系」「煽り系」「自分語り系」「暴言系」「意味不明系」に分類される返信を指す言葉。更にツイッターやインスタのDM機能から送られているFF外の上記に分類出来るDMを含む。または、「クソDM」と別語で言うこともある……。
だそうです。
非相互からに特定されるのかはわかりませんが、確かにこういう系統のリプが来ると反応に困ってしまうし、それが続くようだと受けた側からしたら嫌がらせに感じると思います。
クソリプは触らないのが一番
ここで質問を振り返ってみましょう。質問者さんは「上手なかわし方」のアドバイスを求められています。
ここで出来るアドバイスは一択です。それは、
・クソリプは触らない(目に入ると触ってしまう人はミュートする)
リプが来たら必ずリプ返ししなくてはイケナイ訳ではありません。なので何を書かれても無視すれば良いです。
向こうにもTwitterでクソリプを送る権利があるように、質問者さんにもクソリプを無視する権利があります。
しかし「せっかくリプをくれたのに……」と思ってしまうのか、真面目に返す人が多いです。
Twitterに限って言えば、現在の機能として望まないリプは非表示にも出来ます。他のSNSであっても同様に備わっている機能があれば、自分の快適空間を維持するためにガンガン使いましょう!
繰り返し嫌だと思う行為を受けている場合は、通報する
質問者さんの言われている「過度な嫌がらせ」の具体例がわからないので的確なアドバイスにはならないかもしれませんが、特定の人物から繰り返し嫌だと思う行為を受けている場合は、通報してください。
これも標準装備のツールなので使用する権利があります。
なおリアルの知り合いからネットで嫌がらせを受けている場合は、また話が変わります。場合によっては、警察や弁護士へ相談する必要があるかもしれません。
おそらく私の今回の提案は、どれを読んでも「そこまで大ごとにしたくないんだけど……」と思われる可能性があります。
しかし流しきれないクソリプも過度な嫌がらせも、あなたのメンタルにとっては大ごとです。なぜそんなとんでもない相手に、そこまで配慮をしないといけないのでしょうか。
警察や弁護士に相談することも
ちなみに私も「クソリプやなぁ〜」と思うリプを受け、傷つくことがあります。
バズると日本語がうまく伝わっていないせいか「え!?」と思うような行き違いも多々あります。私は、そんな時はピノコさん(配偶者仮名)にひとしきり愚痴り、さっさと寝ます。
どんな悩みでも単発であれば、一晩寝て起きたらまぁまぁマシになっています。
ただ例えばTwitter以外のSNSやネットなどで、繰り返し誹謗中傷を受けた場合は、通報先やミュートなどの自衛手段
でも、
それでは、また次回に。
元内科の精神科専門医
中高生時代イジメにあうが親や学校からの理解はなく、行く場所の確保を模索するうちにスクールカウンセラーの存在を知り、カウンセラーの道を志し文系に進学する。しかし「カウンセラーで食っていけるのはごく一部」という現実を知り、一念発起し、医師を目指し理転後、都内某私立大学医学部に入学。奨学金を得ながら、勉学とバイトにいそしみやっとのことで卒業。医師国家試験に合格。当初、内科医を専攻したが、医師研修中に父親が亡くなる喪失体験もあり、さまざまなことに対して自信を失う。医師を続けることを諦めかけるが、先輩の精神科主治医と出会うことで、精神科医として「第二の医師人生」をスタート。精神科単科病院にてさまざまな分野の精神科領域の治療に従事。アルコール依存症などの依存症患者への治療を通じて「人間の欲望」について示唆を得る。現在は、双極性障害(躁うつ病)や統合失調症、パーソナリティ障害などの患者が多い急性期精神科病棟の勤務医。「よりわかりやすく、誤解のない精神科医療」の啓発を目標に、医療従事者、患者、企業対象の講演等を行う。個人クリニック開業に向け奮闘中。うつ病を経験し、ADHDの医師としてTwitter(@DrYumekuiBaku)でも人気急上昇中。Twitterフォロワー6.6万人。『発達障害、うつサバイバーのバク@精神科医が明かす生きづらいがラクになる ゆるメンタル練習帳』が初の著書。