燃費試験は問題なしとのことです。

長距離走行試験の排ガス測定「2回」のところ「1回」だった

 国土交通省は2022年7月12日(火)、今年春に発覚した日野自動車の排出ガス・燃費試験の不正事案を受けた国内実態調査のなかで、スカニアジャパンからの報告内容を公表しました。


スカニアの大型二階建てバス。出荷停止となる(画像:スカニアジャパン)。

 同省は日野の不正を受け、トラック・バスを製造販売している他メーカー7社について、同様の不適切事案の有無などを調査・報告するよう指示。6メーカーからは問題なしとの報告を受けていましたが、スカニアからの報告が遅れていました。

 報告では、国交省が定める装置型式指定実施要領に沿わない以下の事項があったといいます。

 大型トラック・バスに搭載されているエンジン4機種に係る型式指定申請(平成26年9月〜30年9月)において、スウェーデンのスカニア本社が長距離耐久試験を行い算出した排出ガス劣化補正値が、「排出ガス測定を2回以上行う必要があるところ、1回しか測定していなかった」ものとのこと。

 本来であれば、5000km、4万km、8万km、12万km、16万km、20万km、22万kmを走行した時点において、排出ガス測定を2回以上行う必要がありました。

 スカニアによると、これは装置型式指定実施要領の内容を十分理解していなかったことにより発生したものであり、故意性はないとしています、また、測定値も保安基準に対して値が相当程度低いことから、保安基準適合性に問題ないと考えているそうです。

 しかしながら、試験手順に正確に沿っていなかったことから、改めて実証試験を行い、該当エンジン搭載車の出荷を自主的に停止するということです。

 対象のエンジンは4種類で、それぞれ大型トラック、トラクター、そして1種類は大型バスにも使われています。国内における該当エンジン搭載車両の販売は1155台です(2022年6月末時点)。

 なお、スカニアが日本で販売する大型バスは二階建てバスで、高速バスなどにおいて導入が進んでいますが、これは現在日本で通常販売されている唯一の二階建てバスです。

 スカニアジャパンは「このような事項が二度と起きないよう、効果的な対応策を全社一丸となって取り組み、再発防止に努めます。現在ご注文をいただいているお客様の車両の状況につきましては、営業担当者よりご連絡差し上げます。また、早期に出荷を再開できるよう速やかな対応をしてまいります」としています。