「自分のものを買ってはいけない」という悩みにとらわれ、悩んでいた主婦のケース
他人とうまくコミュニケーションできないことからくる孤独感や閉塞感、自己肯定感の欠如、SNSによる誹謗中傷やバッシングなど、私たちは、いま多くの生きづらさを感じさせる事柄に取り囲まれています。そんな中にあって、毎日を心安らかに、できるだけ快適に生きていくためには、どうすればいいのでしょうか? 発達障害(ADHD)、うつ病など、生きづらさを抱えながらも精神科医として活躍するバク先生は、ツイッターでのつぶやきが共感・絶賛され、今、人気急上昇中。そんなバク先生の初の著書『発達障害、うつサバイバーのバク@精神科医が明かす 生きづらいがラクになる ゆるメンタル練習帳』(ダイヤモンド社)の中には、生きづらさを解消するための実践的なヒントが詰め込まれています。本連載では、同書の中から心がスッと軽くなるアドバイスをお届けします。
月2万円を自分が何に使えば、無駄遣いじゃないのか?
過去に、「自分のものを買ってはいけない」という思いにとらわれ過ぎ、悩んでしまっている専業主婦のJさん、という人がいました。
自分の靴下に穴があいて買い替えるタイミングのときにも、ご主人やお子さんに「まだはけるのに贅沢かな? 買わないほうがいいよね?」と何度も確認していたため、「このままではいけない」と、ご主人やお子さんも感じたのでしょう。
「ひと月に2万円のお金は、自由に使っていいよ」と、Jさんに言ってくれました。
それで解決しそうなのですが、Jさんは逆に、
「この2万円を何に使えば無駄遣いじゃないのかわからない。私にこんなお金を使う権利はないのに。2万円の使い道を決められないなんて、自分は何もできない…」と、さらに悩みが深くなりました。