「他人の噂」に振り回されてはいけないシンプルな理由
他人とうまくコミュニケーションできないことからくる孤独感や閉塞感、自己肯定感の欠如、SNSによる誹謗中傷やバッシングなど、私たちは、いま多くの生きづらさを感じさせる事柄に取り囲まれています。そんな中にあって、毎日を心安らかに、できるだけ快適に生きていくためには、どうすればいいのでしょうか? 発達障害(ADHD)、うつ病など、生きづらさを抱えながらも精神科医として活躍するバク先生は、ツイッターでのつぶやきが共感・絶賛され、今、人気急上昇中。そんなバク先生の初の著書『発達障害、うつサバイバーのバク@精神科医が明かす 生きづらいがラクになる ゆるメンタル練習帳』(ダイヤモンド社)の中には、生きづらさを解消するための実践的なヒントが詰め込まれています。本連載では、同書の中から心がスッと軽くなるアドバイスをお届けします。
人は、見聞きしたことを少し大げさに言う生き物
「○○さんが、こんなこと言ってたよ」
「△△さんって、実はこうらしいよ」
前回も述べたように、こうした他人の噂話は、気にして得することは一つもありません。仮に「山田さんが、あなたのことをこう言ってたよ」と、田中さんが言ってきたとします。
あなたがカチンときて「山田さんだって、こうなのに……」と悔しい気持ちを口にしたとしましょう。こんな状況で、田中さんがあなたの言葉を他の誰にも言わないと思いますか?
絶対に山田さんに「あの人、山田さんのことをこう言ってたよ!」って告げ口すると思いませんか?
そして山田さんはさらに、あなたのことを悪く言う流れしか予想できませんよね。
人間は、見聞きしたことを少し大げさに言うことのほうが多いです(だってそのほうが「面白い」ですから)。
だから、悪い話はさらにどんどん尾ひれがついて、面白おかしく広がってしまいます。言い振らした田中さんは、何も困らない立場で両方に両方の悪口を言い振らし続けるでしょう。