竹と焼却・炭化させて肥料化した(京都市で)

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 京都府立洛西高校(京都市西京区)の生徒が、地元の住民団体と連携してスクミリンゴガイ(ジャンボタニシ)の肥料化を実現させた。近隣の大原野地域の田んぼで捕獲したジャンボタニシを、間伐した竹と一緒に焼却して炭化させ、肥料として活用する。

地域から感謝「うれしい」

 同校では約20人の生徒を中心に、地域とつながる活動を進めるプロジェクト「洛再Links(リンクス)」を設立。地域の魅力や課題を調べて、フィールドワークや行事へ参加している。これまで地域の植物多様性の調査や、公園清掃のボランティア活動などを行ってきた。

 定植直後の柔らかい稲を食害するジャンボタニシを捕獲して、収穫量の減少を防ぐだけでなく、肥料として活用しようという活動もその一環だ。今月、生徒が自作した捕獲網などを使って約500匹を捕まえて、竹と一緒に無煙炭化器で焼却、肥料化を進めた。

 活動を支援する京都市南部農業振興センターが、昨年試作した肥料を使った小松菜とハツカダイコンで栽培を試験。対照区よりも育ちが良いことを確認できた。

 プロジェクトの会長で3年の田辺琴菜さん(17)は「通りすがりの人からも『ありがとう』と声をかけられる。活動が地域の役に立つと思うとうれしい」と笑顔で話す。

 同校と連携してプロジェクトに取り組む住民団体「なんやかんや『大原野』推進協議会」の小原喜信会長も「高校生が地域の課題解決に向けて活動してもらえるのはありがたい。今後も長く続けてほしい」と、地域と高校のつながりの深まりに期待する。

 大原野地域はタケノコの産地として知られる。間伐した竹をジャンボタニシと燃やして肥料とすることで、竹林整備にも貢献できるという。(京都)