スマホの生体認証はメリットしかない! 簡単・便利・安全の三拍子が揃ったセキュリティ機能のススメ

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●生体認証機能、使っていますか?
スマートフォンのセキュリティと聞いて、みなさんは何を思い浮かべるでしょうか。
恐らく多くの人が、パスワードやパターンロックだけではなく、指紋認証や顔認証といった「生体認証機能」を思い浮かべ、すでに利用しているかと思います。

しかしながら、指紋認証や顔認証といった生体認証がパスワードやパターンロックよりも便利で安全でだからという認識や理由で利用している人は少ないかも知れません。

生体認証はどのように便利で安全なのでしょうか。


MMD研究所「スマートフォンの認証システムとパスワードに関する調査」より引用



●覚えるパスワードはたったの2つだけ
生体認証で最も便利だと感じるのは
「大量のパスワードを覚えなくて良い」
という点です。

当たり前のように感じますが、これはとても重要なポイントです。

パスワードを設定する際の注意点として、
・同じパスワードを使い回さない
・誕生日や一般的な単語をパスワードに使わない
・推測しやすい文字列を使用しない(例:abcd1234)

このような複数の制限やルールを守り、徹底して「推測されづらいパスワード」を設定しなければいけない面倒があるにもかかわらず、

「設定したパスワードを忘れないこと」

このたった1つの条件があるために、とても扱いづらいものとなってしまっています。
しかしながら、生体認証であればそういった煩わしさは必要ありません。


生体認証機能を使わないのはもったいない!


生体認証を設定する際のパスワードを忘れてはいけない点は変わりありませんが、

・スマホを開くたびにパスワードを入力しなくても良い
・パスワードを忘れる&間違えることがない
・複数のパスワードを生体認証1つにまとめられる
・オンラインサービスやウェブサイトへのアクセスがスムーズになる
・他人にパスワードを知られて悪用される心配がない

このようなメリットがあります。

例えばiPhoneの場合、生体認証はウェブサイトへのログインやオンラインショッピングでの決済のほとんどで利用可能です。
一度パスワードを入力してログインしておけば、それをスマホに記憶させておくことで、2回目からは生体認証のみでログインできます。

今やオンラインショッピングやログインの必要なオンラインサービスの利用は当たり前となり、覚えなければいけないパスワードの数は膨大です。


人によっては数百のサービスとパスワードを管理する必要があります。
その大量のパスワードをパスワード管理アプリなどで保管・管理しておけば、覚えるパスワードは、

・パスワード管理アプリ用
・生体認証用

この2つだけで良くなります。
そして普段は生体認証を利用してオンラインサービスを利用するのが、最も安全で現実的な運用方法だと言えます。


Androidスマートフォンでは生体認証を利用できるオンラインサービスが限定されるが、iPhoneであればかなり多くの場面で利用できる



●肌感覚で怖がらずに生体認証機能を利用しよう
「今どき生体認証を利用していない人なんていないのでは?」

このように思う人もいると思います。

しかしながら、MMD研究所が2021年1月に公開した「スマートフォンの認証システムとパスワードに関する調査」によると、
iPhoneユーザーの生体認証利用者は、指紋認証と顔認証を合わせても合計で66.2%、
Androidユーザーの場合、指紋認証・顔認証・虹彩認証などを合計しても50.0%に留まります。

しかも、そもそもパスワードや生体認証によって画面ロックを掛けていないという人自体が、
iPhoneユーザーで5.7%、Androidユーザーで29.7%も存在します。

つまり、スマートフォン利用者の半数以上は生体認証を利用していないか、そもそもパスワードロックすら利用していないということなのです。


パスワードロックすら掛けていないのは非常に危険だ



現在発売されているスマートフォンのほとんどは、指紋認証もしくは顔認証による生体認証が搭載されています。

「生体認証はよく分からないから設定していない」
「個人情報を盗まれそうで怖い」

このような肌感覚と憶測で利用していない人もいるかもしれませんが、それは真逆です。
生体認証機能を利用しないほうが危険であり、スマホや個人情報を悪用されるリスクに晒されている状態です。

スマートフォンに登録した指紋や顔の情報は、スマートフォンから外へ出ることはありません。
スマートフォンの内部で生体情報による本人確認を行い、認証された場合に本来のパスワード(暗号化されたもの)や暗号鍵によって照合が行われるからです。

スマートフォンに生体認証機能があるのなら、むやみに怖がらずに必ず利用するようにしましょう。




執筆 秋吉 健