チームメイトにとってもそれは同様で、カディス戦(ラ・リーガ第23節)ではサルバ・セビージャが決勝点となった(マジョルカが2−1で勝利)2本目のPKを譲るという象徴的なシーンがあった。

「1本目(セビージャが沈めて1−1の同点に)も蹴るつもりだった。ストライカーはゴールを決めなければならない。PKは外すこともあるけれど、チャンスだと思った。2本目は何も言わずにいたら、セビージャが僕のところに来てボールを渡してくれた。僕が得点する必要を感じていたことに気が付いたんだ。人格者だよ。彼がしたことはその素晴らしい人柄を物語っている。信頼してくれたことにとても感謝している」
 
 このセビージャの行動は、ムリチがマヨルカを選んだことが正しかったという確信を強めた。「多くのオファーが届いていた。マジョルカに決めたのは、一丸となって戦っているというところに惹かれたからだ。ディレクターと監督が電話をかけてくれて、自分を必要としてくれていることを直接確認できたことも大きかった」

 ルイス・ガルシア監督の指導にも共感を覚えているという。「ストライカーはゴールを決めなければならない。でもミステル(監督)からはその前に守備やプレス、チームメイトのためにボールをキープするプレーをしっかりやるように言われている」
 
 最後にラ・リーガのレフェリングの傾向について苦言を呈した。

「セリエAでは球際で激しくやり合う。でもここだとジャンプして相手の選手が叫ぶだけで、ファウルを取られる。良いこととは思えない」

文●ラディスラオ・ハビエル・モニーノ(エル・パイス紙)
翻訳●下村正幸

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