横浜の探偵・山村佳子が調査した男と女の浮気事情。そこからわかる恋愛の表と裏を読み解いていく連載です。

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結婚するから東京に出てきたのに…

今回の依頼者は、現在休職中の雅美さん(仮名・32歳)。2か月前に東京に出て来たばかりだといいます。それまで勤務していた地元企業を辞め、住み慣れた土地を離れて、なぜ上京したのでしょうか。

「結婚するからです。相手は幼なじみで、3歳くらいの頃から結婚しようと言っていました。10年前に入籍しようとしたのですが、彼のおじいさんが亡くなって、一度延期しました。1年待っているうちに、今度は私の祖母が亡くなったんです」

その後、タイミングが悪いことが重なり、30歳で入籍しようとしたらコロナ禍に突入したそう。

「地元は結婚式をしっかり行う土地柄で、コロナ禍が明けるのを待っていたら、永遠に結婚できなくなってしまう…。そこで彼が転職をして東京の会社に勤務することになったので、私も一緒についてきました。駆け落ち同然とも言えます」

彼は先に上京し、新しい会社での仕事が始まっていたそう。

「1週間ぶりに会った彼は、私のことを宇宙人を見るような、何とも言えない目で見たんです。表情や反応も固くて、地元にいるときよりもそっけなくて。テレワークをしているときに私が同じ部屋にいると、舌打ちまでするなど、明らかに邪魔者扱いしてきました」

地元にいたころは、そんなことはなかったそう。お互いの実家を行き来して、親戚ぐるみの付き合いをしており、フレンドリーに接してくれていました。

「去年あたりから、“今のままではダメだ”と言い出して、転職活動を始めたんです。そのまま地元の会社に勤めていれば、安定して一生を終えることができるのに、東京に行きたいと言ってきかなかったんです」

彼について聞いてみると、同じ年で見た目もカッコいい男性と言います。

「親同士の仲もいいんです。彼との結婚が私の人生の目標だったかもしれません。高校まではほぼ一緒にいたのですが、大学で離れてからも毎日のように会っていましたし、地元にいるときは、どちらかの家に入り浸っていました。ずっと大好きだし、自慢の彼氏です」

東京行きも、2人で準備を進めたそう。2人で物件を見て決め、東京に行ったら結婚するつもりだったというのですが。

東京に来て、彼は変わっていった

明らかに私のことをバカにする

雅美さんが上京してから2か月間、ほとんど会話がない状態が続いていると言います。

「最初から別人のように冷たくなっていたんです。そして、私と一緒に出掛けるのを嫌がるように。明らかにバカにされるところもあって、正直、何が何だかわからないんです」

就職活動が思うように進まない雅美さんを見下すような言動も目立つそう。

「地元にいるときは、あんなに優しかったのに、最近は“東京は雅美がいるところじゃないよ”とも言われました。いつも暗い顔をしているので、地元が恋しいのかと思い、アンテナショップで地元の調味料と食材を買ってきたんです。きっと喜んでくれるかと思っていたら、“こんなの、見たくもないよ”って。テレワークで家にいることが多いはずなのに、毎日出かけていきます。私は地方出身なので、どこに行ってるのかまったくわからないんです」

家の中にいても、ほとんど無視されており、東京とつながりたくても、肝心の彼が無視しまくっているので、世界の中で仲間はずれになっている気分だと言います。

「彼の変化を地元の友達に相談したら、浮気を疑われました」

それは私もピンと来ました。地方出身の方に限らず、自分が生まれ育った土地を離れた人は、人目がないことや開放的になっていることもあり、浮気をすると止まらない傾向は確かにあります。

「彼は、家にいる間、スマホをずっと持っていますし、私に対して指一本触れなくなりました。洗濯物も別々に洗うようになったし、私をさみしがらせて追い出そうとしている魂胆が透けて見えるんです」

彼はとてもマメな性格で、大学ノートに予定や考察を書きまくるところがあるといいます。

「その雑記帳を見ると、“Mと京都”とあったのです。気になるので調査してほしいんです。この相手が女性だったら、私は地元に帰ろうと思います」

高校生の頃は、放課後にデートをしていたのに…。

【浮気相手に打ち明ける、彼の本心を知り衝撃を… 後編に続きます】