XFN-ASIAによると、米信用格付け大手S&P(スタンダード&プアーズ)は27日、顧客向けレポートで、中国で政策金利の引き上げと人民元改革が急激に行われた場合、同国の金融業界が深刻な不良債権の増加に直面する可能性があると指摘した。人民元が25%引き上げられ、政策金利が200ベーシスポイント上昇した場合、各行の法人向け部門の純益は約3分の1に減少。金融部門の不良債権比率も9パーセンテージポイント上昇するという。

  同社のアナリストであるピン・チュウ氏は、中国の金融システムのぜい弱さにより、同セクターの経済的リスクが高まっていると説明。またアナリストのライアン・ツァン氏は、より多くの銀行が商業的なベースで経営を行っているものの、各行の危機管理システムなどが「急速に変化する経済状況に対応し切れておらず、法人部門でギアリングの比率が高い」と指摘した。【了】