奥川、高橋の快投で日本S進出に王手の燕 球団OBが解説する高津監督の“戦略”
1、2戦の先発は「終盤に調子の良かった順に並べたのだと思う」
■ヤクルト 5ー0 巨人(CSファイナル・11日・神宮)
ヤクルトの若手左腕、高橋奎二投手は11日、神宮球場で行われた「JERAクライマックスシリーズ セ」ファイナルステージ第2戦に先発し、巨人を相手に6回2安打8奪三振3四球無失点の快投。チームはアドバンテージを含めて3勝0敗とし、日本シリーズ進出へ王手をかけた。
10日の第1戦でプロ初完投初完封を成し遂げた奥川恭伸投手に続いた。ヤクルトOBで現役時代に外野手としてゴールデングラブ賞7度を誇った飯田哲也氏は「立ち上がりは緊張していたのか、変化球でストライクを取れず苦労したが、長いイニングを投げることを考えずに、ビュンビュン飛ばしていったことが功を奏した。ストレートに球威があった。何より0点に抑えたという結果が大事。よくやった」と高橋を称えた。
実際、1回は1安打2四球で満塁のピンチを背負ったが、3つのアウトは全て三振。1死一、二塁では丸をカウント3-2から、真ん中低めいっぱいの151キロ速球で見逃がし三振。2死満塁では中島に高めのストレートを振らせて、力で押し切った。徐々に落ち着きも取り戻し、4回から6回までは3人ずつで片付け、相手に付け入る隙を与えなかった。
プロ6年目の今季は4勝1敗、防御率2.87。巨人との相性は、3試合で対戦防御率4.24と決して良くはなかった。実績で勝る投手は他にもいるが、高橋には10月の月間防御率0.64(3試合、14回自責1)という上げ潮の勢いがあった。飯田氏は「高津監督が第1戦に奥川、第2戦に高橋を先発させたのは、シーズン終盤に調子の良かった順に並べたのだと思います。2人とも期待通りの投球でした」とうなずいた。
10月10日には、妻で歌手の板野友美さんが第1子の長女を出産したことを発表。高橋はこの日のお立ち台で「(妻とは)2人で切磋琢磨しながら頑張っています。家族は宝物です」と笑った。公私共に充実している左腕の勢いに、チームもとことん乗っていくべきだろう。(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)