鳥越俊太郎、新型コロナウイルス報道への“違和感”とがん経験者だからこそ言えること
テレビが今より話題の中心だった時代、ニュースやワイドショーの時間の「顔」は、みんなの関心ごとでもありましたーー。時代の変遷や衝撃、ワクワクを伝えてくれたあの人は、今、どうしているの? 現在、ウェブマガジンやYouTubeも話題の鳥越俊太郎さんをインタビュー。
鳥越俊太郎(とりごえ・しゅんたろう)
1940年、福岡県出身。ジャーナリスト。京都大学卒業後、毎日新聞社に入社。記者、サンデー毎日編集長を経て、『ザ・スクープ』(テレビ朝日系列)キャスターに。ウェブマガジン『鳥越俊太郎の今あなたに伝えたいこと』、公式YouTubeで配信中。
「ワクチンで防げる新型コロナウイルスは、
がんに比べればはるかにマシ!」
キャスター時代と変わらないフサフサの髪、ツヤツヤの肌からは、とても80歳を過ぎているとは思えない鳥越俊太郎さん。
「僕の髪が抜けなかったのは、母方の祖父の遺伝。母親は94歳で亡くなりましたから、僕も90歳くらいまでは生きられるんじゃないかな。身体は週2回ジムで鍛えているので努力もしていますけどね」
現在もウェブマガジンで社会の動きを発信し、YouTubeでは識者といわれる有名人とのインタビュー対談を行っている。
「菅直人さん、阿川佐和子さん、さだまさしさん、鶴瓶さん、田原総一朗さんなど、知り合いが忙しい中、ノーギャラで出てくれています。昨年はコロナ禍で講演会がなくなってしまい、朝からボーッとテレビを見てるだけだとボケると思って、ウェブマガジンとYouTubeを始めたんです」
テレビのニュース番組での新型コロナウイルス報道には違和感があり、自身のメディアで現状をわかりやすく伝えることも多い。
「テレビは感染者数しか報道しない。ワクチンのおかげで死亡者、重症者数は減っていることをどうして伝えないんだと。おそらくキャスターが自分で取材をしていないから、事実とは何かを自分で考えて伝えることができず、数字だけの羅列になってしまうんです。
長年積み上げた取材経験がないと、自分なりの価値観が持てないのでは。視聴者に『大丈夫だ』と言うより『危険だ』と言うほうが視聴率が取れると考えているのだとしたら、それも間違っています。早くワクチンを打って、経済を回復させないといけないのに、ワクチンの副反応ばかり報道することで、恐怖をあおって、ワクチン接種が進まず、自分たちの首を絞めているんです」
がんを経験した鳥越さんにとって、ワクチンで感染予防ができる新型コロナウイルスははるかにマシだという。
「僕は大腸がんの4期で肺に転移して、最後は肝臓までいって、4回手術しました。そのときは、自分の人生はこれで終わりだなと覚悟しました。ですから、ワクチンを打てば高い確率で死亡を防げる新型コロナウイルスは、がんに比べるとどうってことないと思います。
一方で、感染したら死に至ることもあり、かかった後の後遺症もあるので、自分の命を守るために、それから自分の周りにいる命を守るために、ワクチンを打ちましょう。もし迷っている人がいたら、僕のウェブマガジンに詳しく書いているので、ぜひ読んでください!」