スカヨハ、ディズニーを訴える 『ブラック・ウィドウ』のディズニープラス公開で損害を被ったと主張
映画『ブラック・ウィドウ』で主演・製作総指揮を務めたスカーレット・ヨハンソンが、米ディズニーが契約を破って同作を劇場とディズニープラス プレミア アクセス(※プレミア アクセスは追加支払いが必要)で同時公開し、そのために損害を被ったとして同社を訴えた。Deadlineなどが報じた。
スカーレット陣営は現地時間29日、ロサンゼルス最高裁判所に訴状を提出。彼女の報酬の大部分は劇場の興行収入に応じて支払われることになっており、ディズニープラス プレミア アクセスで同時公開されたことにより興収が振わなかったと主張している。彼女が損をした一方で、『ブラック・ウィドウ』のおかげでディズニープラスの会員数が増えたとして、同時公開の戦略を決めたディズニーのエグゼクティブたちは株式付与の形で個人的に利益を得たと糾弾した。
スカーレットの弁護士は「ディズニーがパンデミックを口実に、ディズニープラスの会員数を増やすために『ブラック・ウィドウ』のような映画をそこで直接公開し、それによって同社の株価を上げているのは周知の事実です。しかし、この近視眼的な戦略を促進するために、それらの映画の成功に寄与したアーティストたちとの契約を無視することは、彼らの権利を侵害しており、それを法廷で証明することを楽しみにしています。ハリウッドのタレントがディズニーに立ち向かい、同社がどのように見せかけようとも、契約を守る法的義務があると明らかにする訴訟は、間違いなくこれが最後ではないでしょう」と他のタレントたちも彼女の行動に続くことになるだろうとコメントしている。
一方のディズニーはこれに真っ向から反論。同社の広報は「この訴訟には何のメリットもありません。新型コロナウイルスによる恐ろしく、長期にわたる世界的な影響を無情にも無視していることが、特に悲しく、痛ましいです。ディズニーはヨハンソンさんとの契約を完全に順守しており、その上ディズニープラス プレミア アクセス での公開は、現在までに彼女が受け取った2,000万ドル(約22億円・1ドル110円計算)に加えて、追加の報酬を受け取るための彼女の能力を大幅に向上させています」と声明を出した。スタジオがタレントのギャラを明かすのは異例で、辛辣なものになっている。(編集部・市川遥)