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大和ハウス工業株式会社と株式会社フジタ、十一屋工業株式会社は、角形鋼管柱の施工現場用溶接ロボットシステム「SWAN」(スワン)を開発した。

建設業では人手不足の深刻化とともに高齢化の進行が大きな問題となっている。国土交通省が2019年10月に公表した「建設業界の現状とこれまでの取組」によると、建設業就業者の3割超が55歳以上である一方、30歳未満は約1割にとどまる。

そこで、大和ハウス工業とフジタでは作業者の不足解消や職場環境改善として、ロボットの採用や新工法の開発などに努めている。

そしてこのたび、正方形や長方形の中空鋼材を繋げ合わせる作業「角形鋼管柱継手」の溶接作業効率向上や作業負荷軽減を図るため、施工現場用溶接ロボットシステム「SWAN」を開発した。大和ハウス工業とフジタの建築全般の施工技術およびロボット化・自動化技術の開発実績、十一屋工業の現場溶接施工実績に基づく知見を集結したという。

今後、大和ハウスグループ施工現場での実用化に向けて、事務所ビル、商業施設、物流施設、ホテルなど大型建築物の施工現場に導入していくとしている。

●機能のポイント

1. 角形鋼管柱継手の溶接作業効率向上

2. 溶接技能者の作業負荷および熱中症リスクを低減

●1.角形鋼管柱継手の溶接作業効率向上

「SWAN」は、溶接技能者の角形鋼管柱継手における溶接効率を最大2倍まで向上できるロボットシステム。1作業班(溶接技能者1名と作業補助員1名)が角形鋼管柱に対して2台のロボット(1セット)を対向配置して、4台のロボットを運用。市販の汎用6軸多関節型ロボットアーム(ダイヘン製)を組み込んだことで、溶接技能者の作業を再現しながら1日当たり最大約160mの溶接が可能になる。(隅肉溶接脚長6mmとして換算。従来溶接技能者1人当たりの溶接量は80〜100m/日程度)

また、これまでに建設現場(大和ハウス工業2現場、フジタ1現場)で「SWAN」を適用した結果、良好な溶接品質を確認した。

●2.溶接技能者の作業負荷および熱中症リスクを低減

柱の溶接作業は、高温となる溶接部に近接して長時間作業を行うため、溶接技能者の作業負荷は大きく、かつ、夏場の熱中症リスクが高くなる。「SWAN」を導入することで、溶接技能者は品質の確認やロボットシステムの管理に集中でき、作業負担や熱中症のリスクを低減できる。



●現場用ロボット溶接システム「SWAN」概要

名称:「SWAN」(スワン)

本体(ロボットアーム):ダイヘン製の軽量小型6軸多関節型ロボットアーム

溶接量:1セットのロボットで1日あたり約80mを溶接可能

対象とする角形鋼管柱:柱径550〜900mm、板厚22〜40mm(順次拡大予定)

(ロボスタ編集部)