5月13日に破産を申請し、注目が集まっていた

 (株)則武地所(TDB企業コード:822005364、資本金500万円、神奈川県相模原市中央区相模原2-11-27、代表佐野由美子氏、従業員12名)は、5月19日に横浜地裁より破産手続き開始決定を受けた。

 当社は、2000年(平成12年)7月創業、2011年(平成23年)12月に法人改組された。賃貸用木造共同住宅の建築を中心として、主にワンルーム用の3階建て共同住宅の建築を手がけるほか、一般戸建住宅の建築も請け負っていた。本社のある相模原市と周辺地域を営業エリアとして事業を展開し、民間元請受注を中心に一般個人や近隣企業を主な顧客としていた。

主力事業とする3階建て共同住宅は、1室当たりの建築単価が一般的な2階建て共同住宅を扱う同業他社と比べて低単価に抑え、投資効率が高い物件として個人地主から直接受注を獲得、近年ピークとなる2017年4月期の年売上高は約20億5100万円を計上していた。

 しかし不動産部門の販売低迷に加え、建築工事部門も元請工事の完工数が減少基調で推移。2019年4月期の年売上高は約14億1100万円にとどまったうえ、翌2020年4月期も業況は改善せず、年売上高は約9億7800万円に急減していた。この間、資金繰りの悪化から複数の取引先に対する支払い遅延が相次ぐなか、2021年4月に東京都八王子市の賃貸アパートで、外階段が崩落して住人女性が転落死する事故が発生。5月2日、業務上過失致死容疑でアパートを施工した当社および関係先の家宅捜索を警視庁から受けるなか、ここに来て事業継続を断念し、5月13日に自己破産を申請していた。

 負債は債権者約120名に対し約6億円。