クラブとの契約解除を明らかにした浅野拓磨。クラブ側はこれに対して訴訟を辞さない構えのようだ。(C)Getty Images

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 5月2日、セルビア1部のパルチザンに所属する浅野拓磨は、クラブとの契約解除に至ったと自身のブログとSNSで報告。しかし、クラブ側は「契約違反である」と反論。FIFAの管轄組織に提訴を辞さない姿勢を見せている。

 この一報は、セルビア内でも大きな反響を呼んでいる。現地紙『BLIC』は「フットボール界においてこれ以上ない衝撃的な出来事」と伝えた。同紙によれば、パルチザンはこの件を国際サッカー連盟(FIFA)の仲裁裁判所に持ち込み、300万ユーロ(約3億7500万円)を要求すると報じている。ただ、法的な決着がつくまでには2年間かかるだろうとの見通しだ。
 
 一方、現地紙『Telegraf』は「アサノの発表はパルチザンの首脳陣に小さくない衝撃を与えた。クラブを揺るがせた情報には誰もが無関心ではいられなかったが、その兆候は見られていたのだ」と綴っている。

 同紙が指摘しているのは、5月1日にイースターを記念してクラブのYoutubeチャンネルで公開された動画だ。浅野が動物園にジャガーに会いに行く様子を公開しているのだが、MCを担当した女性に現在の仕事について問われると、日本人アタッカーはこのように答えたという。

「アサノは『僕はここで仕事をしている。今のところ、タダで』とコメントしていた。この時、彼の胸の内にくすぶっていたことは明かされており、世間に何かが間違っているということを知らせていたのだ」

 浅野は2019年にパルチザンに加入し、2022年6月までの契約を結んでいた。クラブの声明に対する浅野側の発信はまだない。今後の動向が注目される。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部