オリヴァー・カーンはサッカー界の将来、そしてバイエルン・ミュンヘンの将来を憂いている。月曜発売のkickerとのインタビューの中で、バイエルンにて役員を務める同氏は、コロナ危機による影響は「今シーズンで何とかギリギリというところだが、来シーズンではその爪痕を感じざるを得ないだろう」との見方を示している。

 いかにチャンピオンズリーグ決勝トーナメント常連であるバイエルンをもってしても、「もはやサッカー界の極楽などにはいない」と述べ、移籍に関しては「今後、将来的に非常に身長に計算していかなくてはならないだろう」とコメント。

 確かに2024年のチャンピオンズリーグの改革によって経済的な利益を見込んではいるのだが、「その結果で移籍金やサラリーが高騰するようでは、本当の意味での進歩にはならない」と強調する。「この負のスパイラルは、どこかで断ち切らないといけない。合理的なバランスを取り戻すために、ファイナンシャルフェアプレーの範囲内での、サラリーの制限を緩和していくことを考えている。」

 だからこそこういった状況下において、ファイナンシャルフェアプレーに対して逆に軟化を訴える声には断固として反対の姿勢を示しており、「ぞっとするね」と表現。「サッカー界における健全さに関心があるのならば、誰であってもファイナンシャルフェアプレーが厳格に適用され、さらに厳しくなるよう主張すべきだと思う」と言葉を続けた。

 またブンデスリーガをより一層盛り上げていくための改革、例えばプレーオフやトーナメントの導入などについては特に否定することはなく、また50+1%ルールについても調整は否定せず、むしろ「ブンデスリーガにおいても思考を停止すべきではない」と述べている。

 一方でここのところはドイツ代表ヨアヒム・レーヴ監督が、今夏限りで退団する意向を発表して以来、その候補者としてハンジ・フリック監督の名前も浮上しているところだが、このことについては「2023年まで契約を残しているのだが、リラックスしているところだよ」と語った。


 また月曜日にはバイエルンのカール=ハインツ・ルメニゲ代表取締役も、ドイツ通信社の取材に対して、「今、監督を早々に手放すなんて、馬鹿げているよ」とコメント。現在のバイエルンは「歴史的にみて、もっとも成功した時期をおさめているところなんだ」と強調しており、改めて2023年まで結ばれている契約について主張した。