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次世代の自動車にとって、ソフトウェアの果たす役割はますます重要になる。
eモビリティ、自動運転、最先端のモビリティサービスといった新たなトレンドも、ソフトウェアなしには実現しないため、将来的にはより頻繁なアップデートやアップグレードが必要になる。しかし同時に、車両には生涯を通して非常に厳しい安全要件が課せられるため、自動車用のソフトウェアのOTAアップデートやデジタルサービスは複雑だ。加えて、多種多様なシリーズやモデルの存在により、困難を極める。
そこで、ボッシュは、車両とクラウドをシームレスに結ぶソフトウェア プラットフォームの開発に乗り出すため、Microsoft社と連携したことを2021年2月24日に発表した。
今回の連携は、自動車業界の品質基準に従いながら、車両のライフタイムを通じて車載ソフトウェアの開発と搭載を簡素化かつ迅速化することを目的としている。


●新しいプラットフォームについて
新しいプラットフォームには、Microsoft社のAzureをベースにボッシュのソフトウェアモジュールが組み込まれ、ソフトウェアの開発やコントロールユニットおよび車載コンピューターへのダウンロードが可能になる。さらに、ソフトウェアの開発プロセスを効率化するためのツール開発にも重点が置かれる。これによって革新が促され、組織内あるいは組織間での車載ソフトウェアの開発コストの低減につながることが期待されると同時に、ドライバーにとっては、いち早く新しい機能やデジタルサービスを利用できるプラットフォームとなるだろう。
ボッシュの世界をリードする自動車部品サプライヤーのソフトウェア、エレクトロニクス、システムに関する同グループの豊富な専門知識と、Microsoft社のソフトウェア工学およびクラウドコンピューティングに関するノウハウを融合させた今回の協働では、初のテスト車両に向け、2021年末までにこの新たなソフトウェア プラットフォームを完成させる予定だ。


ロバート・ボッシュGmbH取締役会メンバー マルクス・ハイン氏:

ボッシュは既に、車載ソフトウェアの安全なOTAアップデートを実現させています。ソフトウェアディファインドカー向けの包括的なプラットフォームを開発することで、自動車メーカーのさらなる新機能の開発と市場投入の迅速化に、より貢献したいと考えています。


マイクロソフト クラウド + AI グループ エグゼクティブ バイスプレジデント Scott Guthrie氏:

ボッシュとの協働により、世界有数の自動車機器サプライヤーの専門知識とMicrosoftのクラウドサービス、AI、GitHubの優れた機能をひとつにすることができます。
私たちは、一日も早くソフトウェアを自動車業界における主要な差別化要因とすることで、乗用車および商用車フリート向けの独創的なモビリティサービスの供給を加速させるという大きな目標を抱いています。




●自動車の未来を共に切り開く、新しいプラットフォームの内容
ボッシュは今回の協働において、車両のOTAアップデートに不可欠なE/E(電気/電子)アーキテクチャ、コントロールユニット、車載コンピューターに関する深い知見を提供する。さらに、自動車用のソフトウェア基盤の製品や開発ツールだけでなく、専門技術も提供する予定だ。これには、車載コンピューターおよびコントロールユニット用の基本ソフトウェアとミドルウェアに加えて、保有車両の一括OTAアップデートが可能なクラウドベースのソフトウェアモジュールも含まれる。このプラットフォームをあらかじめ組み込んでおけば、車両のソフトウェア アーキテクチャとクラウドをシームレスに統合することができ、OTAアップデートの複雑度が軽減されるため、車載ソフトウェアを常に確実に最新の状態にアップデートしておくことが可能だ。


ロバート・ボッシュGmbH取締役会メンバー マルクス・ハイン氏:

車両とクラウド間を結ぶ包括的なソフトウェア プラットフォームが実現すれば、複雑なソフトウェア開発や車両システムの統合が簡素化されるでしょう。私たちは、このような手法で、スマートフォンの操作並みに、車内でスムーズかつ便利に無線でアップデートできる環境を整えたいと考えています。



●開発者のための新たなソフトウェアサービス
ボッシュとMicrosoft社は、その他にも、既存の開発者支援ツールの拡充も計画している。これは、自動車業界に特有の課題に対応しつつ、自動車メーカーやサプライヤーが自社のソフトウェア開発を簡素化し、迅速に進められるようにするためだ。両社はさらに、業界全体でコードの再利用およびベストプラクティスの共有を促進するために、完全な統合型エンタープライズプラットフォームのGitHubを活用し、新しいソフトウェア プラットフォームの重要なコンポーネントのソースをGitHub.com上で公開することも視野に入れていると述べている。

(ロボスタ編集部)