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 旅先で衝撃的に美味しい料理に出合ったことはありませんか? 筆者にとってのそれは、台湾の定番朝ごはん「鹹豆漿(シェントウジャン)」です。

 ホテルの横にあるお店で初めて食べて、これまで体験したことのない複雑な味わいに感動……。「本場台湾にまた食べに行きたいな」と思っていたところのコロナ渦で、とても海外旅行どころじゃなくなってしまいました。

 そんなときに『カルディ』で見つけたのが、「シェントウジャンの素」です。しかも3食入り198円のお値打ち価格。これは試す価値ありと購入してみました。

198円(税込)

 ノスタルジックなデザインのパッケージを開封すると、小袋が3つ。一見、餃子のタレのように見えますが、主体は黒酢と米酢。醤油や魚醤、チキンエキスなども入っています。本当にあの味が再現できるのか、期待を込めて早速作ってみることにしました。

温めた豆乳を加えるだけであっという間にできあがる

 基本の材料は「シェントウジャンの素」1袋と無調整豆乳300gのみ。できあがりの分量に合う器を何にするか少し悩みましたが、とりあえず、こぶりのどんぶりを用意しました。

豆乳を入れると、いい色合いに

 作り方は至って簡単。「シェントウジャンの素」を入れた器に、弱火で沸騰直前まで温めた豆乳をそっと注ぐだけ。かき回さずに5分ほど待って、ゆるいおぼろ豆腐のように固まったらできあがりです。

 コツは、決して豆乳を沸騰させないこと。豆乳の温度が高すぎると、豆乳のタンパク質が固まって舌触りが悪くなってしまうそうです。

 もしも豆乳を火にかけて温めるのが面倒なら、電子レンジで加熱するという手もアリ。600Wなら4分、500Wなら5分弱が目安で、様子を見ながら温めるのがおすすめです。

トッピングは桜海老、ザーサイ、パクチー、青ネギ、軽く焼いた油揚げ

 さぁ、できました。まずはトッピングなしでシンプルに味わってみると……豆乳のまろやかな甘さとお酢のすっぱさがうまーくまとまった、やさしい味わいにほっこり。豆乳とお酢が混ざり合うことで、ふるふるとゆるーく固まった様子を見るのも楽しいですよ。

トッピング完了。仕上げにラー油を垂らすとさらに美味!

このゆるふわ感がたまりません

 トッピングして彩りよく仕上がった「シェントウジャン」、本場さながらに見えませんか? 桜海老の香ばしい香り、ザーサイの塩気、食欲をそそるパクチーの香り、じゅわっとスープを含んだ油揚げ。味わいと香りにメリハリが生まれて、朝ごはんにぴったり! 食べると元気が出そうです。食べるごとに、現地・台湾で食べた朝食の風景が蘇りました。

塩パンを浸して食べると、さらに旨い!

 さらに美味しい食べ方がこちら。本場では油条という揚げパンを浸して食べることが多いのですが、日本ではなかなか手に入りません。そこで手近な塩パンを浸してみたら、これが絶品! 塩パンの塩気とバターの油分が淡泊なスープと絡み合って、満足度がアップ。ぜひ試してほしいアレンジです。

 5分あればあっという間に作れる「シェントウジャン」。忙しい朝や小腹が空いたときにもぴったりで、ビタミンや大豆タンパクなどの栄養豊富なのもいいところ。ぜひ味わってみてください。

(撮影・文◎池田実香)