大都会に現れたクジラにニューヨーカー達も驚く(画像は『Patch 2020年12月8日付「Humpback Whale Spotted In Hudson River By Hell’s Kitchen」(Andres Javier, Twitter)』のスクリーンショット)

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大都会ニューヨーク近くを流れるハドソン川で、クジラの姿が目撃されたというニュースが届いた。夕暮れのハドソン川を泳ぐクジラに市民達は驚いたという。同地域で長年クジラを調査してきた専門家も「かなり異例」としつつも、水質の改善により目撃例は増えていると明かした。『New York Post』などが伝えている。

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Twitterユーザーのアンドレス・ハビエルさん(Andres Javier)は今月8日、1本の動画を投稿した。撮影されたのは今月7日午後4時15分頃で、アンドレスさんは、ニューヨークで移動手段の一つである水上タクシーの停留所「Pier 84」の近くにいた。

動画には水面から頭を出し、大きく潮を噴き上げるクジラの姿が捉えられている。ちょうど夕暮れ時だったこともあり、水平線に沈む直前の太陽が水面に反射する中でクジラは優雅に泳いでいた。

クジラが泳いでいる場所は米ニューヨーク市西部を流れるハドソン川で、クジラの美しい光景にニューヨーカー達は驚嘆したもよう。ニューヨーククジラ調査・支援団体「Gotham Whale」は、目撃されたクジラはザトウクジラであることを報告している。

同団体の設立者であるポール・シースワーダさん(Paul Sieswerda)は、ニューヨーク周辺の水域には年間を通してクジラはいるものの「ニューヨーク港内でクジラを見かけるのは、かなり異例です」と話す。

しかし最近は水質の改善により、この8年間で目撃率が540%に上昇しているそうだ。観測を開始した2010年には5頭しか確認できなかったクジラが昨年には272頭も確認されており、そのほとんどがザトウクジラだ。このたび目撃されたクジラは「豊富なエサを求めてニューヨーク港にやって来たのだろう」と同団体は推測する。

同団体には市民からクジラの目撃情報が翌朝にも届いており、クジラがこのあたりの水域に留まっていることが確認されている。ポールさんは「クジラニューヨーク港にいることで、フェリーなどと衝突してしまうリスクと隣り合わせになっています。フェリーの操縦者らがクジラに気を付けて運航してくれることを願います」とクジラの出現にはリスクがあることも明かした。

この地域では2016年にも、ハドソン川に現れたクジラがジョージ・ワシントン橋を通過したことがあった。「私達は団体の宣伝も兼ねて、このクジラに“ゴッサム(Gotham)”と名前を付けました。よくエサを食べて、見る限りでは健康状態も良好のようでした。今回現れたクジラはまだ確認できていませんが、同様に良好な健康状態だと祈りたいですね。クジラニューヨーク港にやって来るのは、彼らの生息域で何か良くないことが起きている兆候かもしれませんが、今は気楽に考えたいと思います」とポールさんはコメントしている。

画像は『Patch 2020年12月8日付「Humpback Whale Spotted In Hudson River By Hell’s Kitchen」(Andres Javier, Twitter)』『Andrés 2020年12月8日付Twitter「@NJwhalegirl @gothamwhale @wildcitynyc @NBCNewYork @brian4NY」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)