新幹線の上に大きなカニが覆いかぶさったJR東日本のキャンペーンポスターをご存知だろうか。

北陸のカニを食べに行く旅行を提案する「かにを食べに北陸へ。」キャンペーンの宣伝のために掲示されているもので、2020年10月初旬、ツイッターで大きく話題になった。

カニが新幹線にしがみついたり、ノートPCの画面に張り付いたりしながら

「本当は、こっちから会いに行きたいくらい」
「このおいしさは、オンラインじゃ伝わらない」

などのメッセージを我々に伝えてくるもので、JR東日本の主な駅や首都圏の列車内などに掲示されている。

当然、主要駅のひとつである渋谷駅でも、「かにを食べに北陸へ。」のキャンペーンを告知するポスターは掲示されているのだが、どうも他の駅と比べて様子がおかしい。

どうおかしいのか、読者の皆さんにもご覧いただきたい。

カニ「今日は特別やぞ」

こちらが、渋谷駅に掲示されている「かにを食べに北陸へ。」キャンペーンのポスターだ。


関西弁なの?(moznionさんのツイートより)

これはツイッターユーザーのmoznion(@moznion)さんが2020年10月29日に投稿した写真。JR渋谷駅内で撮影したものだという。

開高丼(福井県・越前町の旅館「こばせ」で提供されているセイコガニのどんぶり)の写真には、

「俺が宝石箱や」

生きたカニを生簀からすくう「カニすくい体験」の写真には

「今日は特別やぞ」

というカニからのコメントが添えられている。ポスターはこれだけでなく、右側にも続いているようだ。

「JR渋谷駅」と書かれているので、これは渋谷駅独自の宣伝ポスターなのだろうか。カニからのメッセージという点では、JR東日本が各所に出しているポスターと同じだ。

しかし、改めて見比べると...。


テンションが違う(画像はJR東日本東京支社広報課提供、以下同)

一体、渋谷駅のカニたちはどうしてしまったのだろう。

Jタウンネット編集部は11月6日、JR東日本東京支社に詳細を聞いた。

ポスターは全12種


ニンジンのスティック...?

同社の広報担当者によると、渋谷駅に掲示されているのは、やはり同駅社員が作成したオリジナルポスターだった。10月29日から、駅の通路に、他のカニに関係するポスターと合わせて掲出しているという。

カニのオリジナルポスターは全部で12種類。全てにカニからのメッセージが書かれているそうだ。これは、JR東日本作成のキャンペーンポスターのスタイルを踏襲したものだそうだ。


味噌汁からイエーイV

オリジナルポスターのコメントはもはや大喜利状態だが、富山・石川・福井のカニに関する写真が使用され、しっかりとその魅力をアピール。カニからのメッセージを面白がっているだけのつもりでも、思わず「カニ食べたい...」という気持ちになってしまいそうだ。


カニ汁、カニ見えない...

しかし、すでに立派なポスターがすでにあるのに、なぜ渋谷駅ではこんなにもたくさんのオリジナルポスターを作ったのだろう。

担当者に理由を聞くと、

「『あのポスター(JR東日本作成のキャンペーンポスター)を多くのお客さまに見ていただきたい。他のポスターとは違ったものをつくりたい。』という思いで、お客さまに見て楽しんでいただける渋谷駅オリジナルポスターを作成しました。」

とのことだった。