サントスと驚きの契約を交わしたロビーニョだったが、その復帰劇はあっけなく幕を閉じた。 (C) Getty Images

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 男気に溢れる契約から急転直下で袂を分かつことになった。現地時間10月16日にサントスは元ブラジル代表FWロビーニョとの契約を解除したことを発表した。

 かつてセレソンで10番を背負ったロビーニョが世間の話題をさらったのは、今月10日だ。現在36歳の名手は、古巣の財政難を受け入れ、わずか月1500レアル(約2万8500円)の報酬で電撃契約を締結したのである。

 月給10レアル(約190円)でも構わないと熱意を見せたことも地元メディアで取り上げられ、本人も「何かすべき時が来たんだと思った。これまでもサントスは僕を何度も助けてくれた」とやる気を漲らせていたが、事態は思いもよらぬ方向へと進んだ。

 ブラジル・メディア『Globo』によれば、2013年1月にミラノのナイトクラブで5名の男性とともに性的暴行事件に関わった疑いをかけられ、2017年にはイタリアで9年の懲役を言い渡されたロビーニョとの契約に対して、女性サポーターグループが猛反発。さらに一部のスポンサーも「イメージダウンは避けられない」とクラブに圧力をかけたというのだ。

 前述の懲役刑は、まだ二審が開かれていないため、有罪が確定していない。また、訴えた女性がアルバニア人であるため、事件の背後に犯罪組織が関与しているとの指摘もあり、一部ではロビーニョに同情的な声もある。
 
 とはいえ、“疑惑”に対する女性サポーターとマスコミの反発が強まったことで、サントスも契約解除をせざるを得なかったようだ。ロビーニョは「会長とは直接合意した」と声明を出している。

「大きな悲しみを持って、契約を中断した。僕の目標はいつだってサントスを助けること。何らかの形で自分が邪魔になっているなら、出て行って自分のことに注力するほうがいい」

 ロビーニョのキャリアをスタートさせた古巣とのエモーショナルな復帰劇は、わずか6日で終結することとなった。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部