三重県津市の国道でおととし(2018年)12月29日午後10時ごろ、時速146キロでタクシーに激突し、乗客ら4人を死亡させたとして危険運転致死傷の罪に問われた元IT会社社長の末広雅洋被告(58)に対する裁判員裁判の判決が、16日(2020年6月)に言い渡された。危険運転致死傷罪の適用は認められず、過失運転致死傷の罪で懲役7年とされた。

婚約者を失った牛場里奈さん(34)は、「あれが危険運転じゃなかったら、なんという運転なのでしょうか。悲しみとかショックとか通り越して怒りしかないですね」と涙ながらに訴えた。

被告は8回も事故起こしてる悪質運転手

事故は猛スピードの乗用車が国道を横切ろうとしたタクシーと衝突、4人を死亡させ、乗客1人に大けがをさせた。検察側は、「被告はこれまで8回も事故を繰り返し、日頃からスピードを出して運転していた。一般道での時速146キロの運転は危険で悪質」と懲役15年を求刑した。弁護士側は、「タクシーが直線道路を横断しょうとするとは想定していなかった」と主張していた。

判決は、「時速146キロでの走行は危険だが、事故が起こるかもしれないと(被告が)頭に思い浮かべていたかは疑いがある」とし、「故意でない」と判断した。

被告は量刑を不服として控訴した。牛場さんは「本当に反省していたら、控訴も何もしないと思うんですよ。危険運転を認めてもらえるように、どこまでも何年かかっても、一生かかっても闘っていこうかなと思っています」と語る。

罰則重い危険運転致死傷適用に高いハードル

交通問題に詳しい高山俊吉弁護士は「法解釈としては理解できるが、法定速度を大幅に超えた146キロ走行で『事故を予見できない』という判決には疑問を感じます。危険運転致死傷の適用はハードルが高いんです。過失運転致死傷罪の刑を重くするなど法改正が必要です」といっている。

司会の羽鳥慎一「改めて危険運転致死傷罪のハードルが高いということが分かりました」

浜田敬子(「ビジネスインサイダージャパン」統括編集長)「146キロで事故が予見できないという法律は、いったい何だろうなと多くの人が感じると思います。遺族や世論、メディアが議論していくことが大切だと思いました」

羽鳥「危険運転致死傷の適用については前から問題になっています。改めて考える必要があると思いました」